日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>ホラーで映画館を応援! 「鶴田法男×中田彰輝Presents 川越スカラ座・ハロウィン映画祭」開催

ホラーで映画館を応援! 「鶴田法男×中田彰輝Presents 川越スカラ座・ハロウィン映画祭」開催

 劇場存続のためのプロジェクトを実施している埼玉県川越市の映画館・川越スカラ座を応援するため、Jホラーの父・鶴田法男監督と特殊メイクアップアーティスト・中田彰輝さんの企画による「川越スカラ座・ハロウィン映画祭」が10月26日より1週間にわたり同館で開催され、ゾンビ映画『Z -ゼット- 果てなき希望』などが上映されます。

 古くからの町並みが残り、近年は「小江戸」として人気を集めている埼玉県川越市。この町にある川越スカラ座は、明治創業の寄席をルーツに昭和20年に映画館としての営業を始めた埼玉県最古の映画館で、かつての「町の映画館」の趣を残す建物やゲストを招いたトークショーなども頻繁におこなう独自の活動で、地元の方々のみならず多くの映画ファンの支持を集めています。

記事写真

「川越スカラ座・ハロウィン映画祭」が開催される川越スカラ座

 現在、川越スカラ座は、使用中のデジタル映写機の寿命が近づいていることから、映写機買い替えとそれに伴う館内工事が避けられず、賛助会員募集やグッズ販売などでその費用を広く募る「川越スカラ座閉館回避プロジェクト」を実施しています。

 このほど開催される「川越スカラ座・ハロウィン映画祭」は、同プロジェクト実施中の川越スカラ座を応援すべく、鶴田法男監督と特殊メイクアップアーティスト・中田彰輝さんが企画しました。
 オリジナルビデオ版「ほんとにあった怖い話」(1991年)などで和製ホラー隆盛の礎を築いて「Jホラーの父」と呼ばれ、映画『リング0〜バースデイ〜』(1999年)『おろち』(2008年)やテレビ版「ほんとにあった怖い話」などで日本にホラーを根付かせてきた鶴田監督は、埼玉県さいたま市在住。
 『ゴールデンカムイ』(2024年/久保茂昭監督)や人気特撮ドラマ「牙狼」シリーズなど、ホラーに留まらず数多くの作品に参加する日本の特殊メイクの第一人者・中田彰輝さんは、埼玉県川越市出身。
 埼玉にゆかりのあるふたりのホラー系映画クリエイターが企画した「川越スカラ座・ハロウィン映画祭」では、鶴田監督と中田さんがガッチリと組んだゾンビ映画『Z -ゼット- 果てなき希望』(2014年)を上映。現在公開中の『Cloud』(2024年)も話題の映画監督・黒沢清さんが公開当時に「日本映画に、このジャンルのベンチマークがようやく登場した。」と評した和製ゾンビ映画の傑作が、川越スカラ座のスクリーンに登場します。
 さらに、中田さんが学生時代に川越スカラ座で鑑賞してショックを受けたイタリアン・ホラー『デモンズ』(1985年・伊/ランベルト・バーヴァ監督)、鶴田監督が中国に招かれ監督した監督最新作『戦慄のリンク』(2020年・中国)の、海外作品2作品も上映されます。

 映画祭開催期間中は、鶴田監督と中田さんによるトークイベントや、『Z -ゼット- 果てなき希望』主演のひとり・小原徳子(『Z』出演時は「木嶋のりこ」名義)さんらの舞台あいさつなども開催されるほか、『Z-ゼット-果てなき希望』撮影時の特殊メイク制作風景が劇場内に展示されるなど、盛りだくさんの企画が用意されています。

記事写真

『Z -ゼット- 果てなき希望』のゾンビメイク中の中田彰輝さん ©ZONBIE STOCK

記事写真

中田彰輝さんによる『Z -ゼット- 果てなき希望』ゾンビメイクの完成形 ©ZONBIE STOCK

川越スカラ座・ハロウィン映画祭

  • 会場:川越スカラ座 埼玉県川越市元町1丁目1−1
  • 開催日時:10月26日(土)~11月1日(金) 連日15時40分より上映 ※10月29日(火)・30日(水)は休館日

上映スケジュール

  • 10月26日(土)『Z -ゼット- 果てなき希望』+主演・小原徳子(旧名:木嶋のりこ)さんほかトークイベント
  • 10月27日(日)『デモンズ』
  • 10月28日(月)『戦慄のリンク』
  • 10月31日(木)『デモンズ』+中田彰輝さんトークイベント
  • 11月1日(金)『Z -ゼット- 果てなき希望』+中田彰輝さんトークイベント
  • ※鶴田法男監督はすべての回に登壇予定

 また、川越市では、人形を乗せた豪華絢爛な山車が市内を巡行する歴史あるお祭り「川越まつり」が例年10月に開催されており、今年は10月19日と20日の両日に開催。
 中田さんは、この「川越まつり」に参加する山車のひとつである南通町の「納曾利(なそり)の山車」の人形を制作しており、映画祭開催に先駆けて10月上旬からこの人形の貴重な制作風景が劇場内に展示される、地域と密着した企画も開催されます。

記事写真
記事写真
記事写真

中田彰輝さん制作の「納曾利の山車の人形」とその制作中の様子 ©ZONBIE STOCK

 「川越スカラ座・ハロウィン映画祭」開催にあたり、鶴田法男監督と中田彰輝さん、川越スカラ座の番組編成担当・飯島千鶴さんは次のようにコメントを発表しています。

映画監督・小説家:鶴田法男監督コメント

「川越スカラ座」に来ると、私の父が経営していた「三鷹オスカー」を思い出して懐かしい気持ちになります。その劇場がDCP(映写機)の買い換えで苦境に立っていると知りました。そして、私の多くの作品で特殊メイクを担当する中田彰輝氏が川越出身で、同館のかつての常連客であり、しかも「川越まつり」の山車の人形も作っているとも知りました。映画の神様に「川越スカラ座を応援しろ」と言われている気がしてこんな企画を提案しました。皆様のご来場をお待ちしております。
記事写真

鶴田法男監督

特殊メイクアップアーティスト:中田彰輝さんコメント

今回の企画を聞かされた時、なにか運命の様なものを強く感じました。特殊メイクという仕事を目指すきっかけ、いや、トラウマを植え付けられた映画の一つ「デモンズ」を、当時に観た地元の映画館「川越スカラ座」で再び上映し、そして鶴田監督とご一緒させていただいた映画「Z-ゼットー果てなき希望」まで上映されるなんて!こんな夢の様な故郷凱旋ができる事に感謝しかありません!ハロウィンの夜、ホラー映画の世界を素敵な劇場で一緒に堪能しましょう!
記事写真

「納曾利の山車の人形」制作中の中田彰輝さん ©ZONBIE STOCK

川越スカラ座・番組編成担当:飯島千鶴さんコメント

川越スカラ座では普段ホラー映画をあまりかけないのですが、個人的に一番好きなジャンルはホラーなので、ご縁あって鶴田監督にこのような企画をしていただき感激しております。また、子どもの頃は特殊メイクアップアーティストという仕事に憧れを抱いていたため、プロの方、しかも川越市出身で当館に通っていたという中田彰輝さんに直接お話を伺える機会がいただけるとは夢のようです。いちホラーファンとして、今から楽しみにしております。

 「川越スカラ座・ハロウィン映画祭」は、10月26日土曜日より11月1日金曜日まで、10月29日火曜日・30日水曜日を除く5日間にわたり開催されます。

 また、オリジナルグッズ通販サイト・Suzuriでは、スマホストラップやTシャツなど、レトロなロゴが魅力の川越スカラ座オリジナルグッズを購入可能で、グッズを購入することで手軽に劇場を支援することが可能となっています。映画祭とともに、こちらも注目です。

→「川越スカラ座閉館回避プロジェクト」の詳細はこちら
→川越スカラ座のグッズ購入で支援ができるSuzuriのページはこちら
→『Z -ゼット- 果てなき希望』についても触れられている小原徳子さんと鶴田法男監督のインタビューはこちら
→中田彰輝さんも登壇した2014年の『Z -ゼット- 果てなき希望』イベントレポートはこちら

ポスター

Z -ゼット- 果てなき希望

  • 川本まゆ 木嶋のりこ 田中美晴 佐藤永典 ほか

  • 監督:鶴田法男
  • 脚本:酒巻浩史/鶴田法男
  • 原作:相原コージ「Z~ゼット~」
  • 撮影:神田創
  • 特殊メイク:中田彰輝

  • 2014年/日本/アメリカンビスタ/109分

  • 提供:SPO

10月26日(土)・11月1日(金)上映

『Z -ゼット- 果てなき希望』ストーリー

女子高生のあかり(木嶋のりこ)と親友の恵(田中美晴)は、突然現われたゾンビ男に襲いかかられ絶体絶命のピンチに。その窮地をナギナタ使いのアイパッチ少女、戸田凛子(川本まゆ)が救う。しかし、そのゾンビたちは頭を斬られても襲うことを止めない究極のゾンビ=Zだった。3人はあかりの姉と合流し、病院へと避難するが…。
ポスター

デモンズ

  • ナターシャ・ホーヴェイ ウルバノ・バルベリーニ パオラ・コッツォ ボビー・ローデス ほか

  • 監督:ランベルト・バーヴァ
  • 製作:ダリオ・アルジェント
  • 脚本:ダリオ・アルジェント/ランベルト・バーヴァ

  • 1985年/イタリア/アメリカンビスタ/88分

  • 提供:是空

10月27日(日)・31日(木)上映

『デモンズ』ストーリー

謎の人物から映画の試写状を渡されたシェリル(ナターシャ・ホーヴェイ)は、友人のキャシー(パオラ・コッツォ)と一緒に出かけることにした。映画館にはジョージ(ウルバノ・バルベリーニ)とその男友達も来た。そして始まる映画は、悪魔の復活を描いたホラー映画だった。そして、一人の女性客が怪物に変身したのきっかけに、観客は次々と化け物に変身していく。しかも、劇場の扉はコンクリで固められていた……。
ポスター

戦慄のリンク

  • スン・イハン フー・モンボー ニー・ムーシー ハン・チウチ ワン・ツーイー ジョウ・ハオトン シャオ・ハン ほか

  • 監督:鶴田法男
  • 脚本:ヤン・ヤン/鶴田法男
  • 原作:マ・ボヨン
  • 撮影:神田創
  • 編集:須永弘志
  • 美術:リー・チア

  • 2020年/中国/アメリカンビスタ/北京語/96分

  • 提供:三鷹オスカー/フィールドワークス

10月28日(月)上映

『戦慄のリンク』ストーリー

大学生のシャオノア(スン・イハン)は自殺と断定された従姉タン・ジン(ニー・ムーシー)の死に疑問を抱き、自ら真相を解明することに。犯罪心理学に詳しい従姉の同級生マー(フー・モンボー)に協力してもらい調査を進めていく。やがて、従姉のパソコンに残されていたチャットのやり取りと、「残星楼」というネット小説のリンクを発見。それを読んだシャオノアに、悪夢のような出来事が襲いかかる。

スポンサーリンク