伊集院香織さん、後藤まりこさん、津田寛治さんらが出演し、音楽ファンとミニシアターファンに贈る岡本崇監督の新作『ボールド アズ、君。』が3月29日に公開されるのを前に、予告編と新規場面写真、津田寛治さんら出演者および関係者のコメントが解禁されました。
『ボールド アズ、君。』は、300本以上のミュージックビデオ(MV)を監督してインディーズバンドMVの黎明期を支え、音楽事務所マネージャーを主人公にした『ディスコーズハイ』(2021年)で長編監督デビューを果たした岡本崇監督の長編第2作。
岡本監督自身の「作者の意図とは関係なく映画や音楽に救われた」という経験をもとに「勝手に救われよう」をテーマにした物語で、カリスマボーカリストとミニシアター支配人を“神”と慕う主人公の熱い想いが描かれていきます。
解禁された『ボールド アズ、君。』新たな場面写真。伊集院香織さん演じる南條珠(左)と、津田寛治さん演じる井澤雄一郎
人付き合いが苦手でお気に入りのミニシアターが居場所の主人公・南條珠(なんじょう・たま)を演じるのは、ひとりバンドプロジェクト・みるきーうぇいで活動する伊集院香織さん。
珠にとっての“神”であり、ロックバンド「翳ラズ」(かげらず)のボーカリスト・瓶子結衣子(へいし・ゆいこ)を演じるのは、ミュージシャンであり俳優としても活躍する後藤まりこさん。
ふたりの個性あふれるミュージシャンがダブル主演を果たします。
さらに、珠にとってのもうひとりの“神”であるミニシアター支配人・井澤雄一郎を日本映画界に欠かせない津田寛治さんが演じるのに加え、翳ラズのドラマー・木田次郎役で人気バンド・東京事変のドラマー・刄田綴色(はた・としき)さんが出演。
また、ライブシーンで実在のバンドが登場し、ミュージシャンやゲーム関係者も随所に出演する、多彩なカルチャーが融合したキャスティングとなっています。
公開が近づく中で解禁された予告編は、ミニシアターだけが居場所であった主人公・珠が、もうひとりの“神”を見つけて新しい道を踏み出す姿で始まり、翳ラズの劇中歌に乗せてライブシーンに登場するバンドが次々と登場。映画のテーマである「勝手に救われよう」を感じさせるシーンなど、本編への期待が高まる映像。
同時に解禁された新規場面写真は、珠と井澤が会話する場面や刄田綴色さん演じるドラマーの演奏シーンに加え、ホラーゲームの実況画面など、作品の多彩な要素を感じさせる写真となっています。(※一部の新規場面写真は記事後半にコメントとととに掲載しています)
また、主演の伊集院香織さん、後藤まりこさんらの出演者コメントに続いて、新たなコメントが解禁されています。
今回は、津田寛治さん、刄田綴色さん、そして劇中のライブイベントシーンに登場するバンド・スムルース(ボーカル・德田憲治さん)、アシガルユースや、ライブハウス警備員役で出演している音楽ユニットのクリトリック・リス、バンド・もるつオーケストラのボーカル&ギターのGOOD 之介さん、イベントMC役で出演するe-sports実況者のアールさん、実況映像が劇中で使われているホラーゲーム実況者のサンキュームービーさん、劇中に登場する人気ホラーゲーム「Shadow Corridor 2 雨ノ四葩」の制作者・城間一樹さんがコメントを寄せています。
ミニシアター支配人・井澤雄一郎役:津田寛治さんコメント
岡本崇監督との出会いは、僕が審査員長を務める福井駅前短編映画祭でした。
岡本監督の作品は、とにかく出演しているミュージシャンの方々がリアルで魅力的でイキイキしていて、同映画祭では女優賞を2回ももらって頂きました。
そんな岡本監督から長編作品への出演オファーを頂いたときは飛び上がるぐらい嬉しくて即諾したのを覚えています。
とはいうものの、楽器も弾けず歌も歌えない僕に岡本作品への参加資格があるのだろうかと一抹の不安もあったのですが、僕の役はなんとミニシアターの支配人!これもまた嬉しかったです。
インディーズ映画の揺り籠ともいえるミニシアターは僕にとってとても馴染み深い場所。
時には観客として、時には壇上に立つ俳優として、足繁く通うオアシスのような存在です。
特に今作のロケ地となった第七藝術劇場は、大阪の聖地と言われるミニシアターの一つで、僕も舞台挨拶などで何十年も前からお世話になっている劇場なので、あの「ナナゲイ」の支配人役をやれるなんて!と夢心地ながらも襟を正して現場に向かいました。
現場は夢のように楽しかったです。
真摯に物語と向き合う俳優陣のみなさん、そんな俳優を温かく見つめるスタッフのみなさん、現場にいらした全ての人々がナナゲイをリスペクトしていて、心地よい緊張感と無償の愛に溢れた撮影でした。
そして気が付くと僕は何の苦労もなく、インディーズ映画を愛するミニシアターの支配人になれていたのです。
本当に現場の皆さんのおかげです。
第七藝術劇場のおかげです。
たった一人の不器用な少女が、周りの大人たちを巻き込んで自分の夢を叶えていく「ボールド アズ、君。」そんな少女に巻き込まれながらも、それぞれに勝手に救われる大人たちも丹念に描かれています。
僕も勝手に救われる冴えない支配人を演じています。
ぜひ、ミニシアターでご覧ください!
翳ラズドラマー・木田次郎役:刄田綴色さん(東京事変)コメント
演奏シーンはさすが俺って感じだったんですけど笑
演技については軽いエキストラ的な感じで引き受けてしまいまして。「楽屋のシーンがあるんで、セリフが一言二言あるかもしれません」と監督はおっしゃってたんですけど、(台)本を読んだら意外とあるぞっていうね。まあ私の拙い演技が作中に反映されてることを皆様是非お楽しみにしていただけたら嬉しく思う刄田綴色でございました。
映画ファンからの支持も高く「ナナゲイ」の愛称で知られる大阪のミニシアター・第七藝術劇場でロケがおこなわれ、すでに第1回大須インディペンデント・フィルム・フェスティバル長編部門最優秀作品賞、山形国際ムービーフェスティバル2024審査員特別賞など、各地の映画祭で高い評価を得ている『ボールド アズ、君。』が、上映劇場である東京の新宿K’s cinemaと同館近くに位置し映画ファンが集う店・Bar DUDEでの追加撮影を加えた最新バージョンとして、3月29日土曜日より、東京の新宿K's cinemaほか、全国順次公開されます。
『ボールド アズ、君。』というタイトルは、夭折のロックレジェンド、ジミ・ヘンドリックスのセカンドアルバムの収録曲でアルバムタイトルにもなっている「ボールド・アズ・ラブ」(愛のように大胆)をオマージュしたもの。音楽と映画への想いが結晶した『ボールド アズ、君。』に期待です。
『ボールド アズ、君。』あらすじ
人付き合いが苦手な南條珠(なんじょう・たま/伊集院香織)は、小学生の頃からシネコンとは一線を画すこだわりのラインアップのミニシアターを自分の居場所としていて、支配人の井澤雄一郎(いさわ・ゆういちろう/津田寛治)を神様と呼んで慕っている。
そんな珠にとって、ロックバンド“翳(かげ)ラズ”のボーカル・瓶子結衣子(へいし・ゆいこ/後藤まりこ)はもう一人の自分を救ってくれた神様。中古ギターを入手して、スーパーギターバトルで優勝するほどの実力になるも、さらに上を目指して練習する日々。翳ラズの記事を読み、次の翳ラズのライブチケットは必ず入手すると決意を新たにする。
そんなある日、珠がバイトをする居酒屋に、たまたま瓶子結衣子がやってきて、珠がアップした“弾いてみた動画”を見ていたことが発覚。珠は「翳ラズと同じステージに立って直接お礼を言うこと」を目標に、さらに動画制作に精を出すが、行きつけのミニシアターが翳ラズのライブのタイミングで閉館するということを知り…