
女優生活25周年を迎えた石原真理子が発表した自叙伝「ふぞろいな秘密」(双葉社刊)は、マスコミの話題を独占し、発売からわずか3ヶ月で50万部に迫る爆発的なセールスを記録した。石原真理子が決して平坦ではなかった半生を潔く告白した上で、なおも勇気と信念を持って前進しようとする姿が、女性を中心に強く支持され、大きな反響を呼んだこの作品がついに著者自らの監督により映画化を果たす。
映画版では、著者がその生涯においてもっとも激しい恋愛だったと振り返る、あるひとりの男性との出会いから別れまでを、飾らないタッチで語っていく。
家庭環境の問題から、自分でも気づかぬうちに愛を求めるヒロイン。運命によって導かれた男性との出会い。幸せに満ちた日々から一転、恋人から受けるDV(ドメスティック・バイオレンス)。やがて訪れる痛切な別れ――ひたむきに愛を信じ、悩み、傷ついた著者自らがメガホンを取って描く、究極の純愛の姿がそこにある。一度でも身を焦がすような恋愛を体験した方なら、きっと何処かに共鳴する部分を見つけられるに違いない。人は誰しもふぞろいな存在であるからこそ、互いを求め合い、傷つけ合うのかも知れない。
石原真理子は監督・脚本を担当するほか、ナビゲーターとして映画本編にも登場。80〜90年代に一世を風靡したきらびやかな魅力は健在である。
主要キャストの選出には大々的なオーディションを敢行。男女合わせて1200通を超える応募者の中から、フレッシュな顔ぶれが選ばれた。
20代の石原マリコを演じるのは、「ポカリスエット」CMで脚光を浴び、映画『ガラスの脳』『死びとの恋わずらい』、ドラマ「Xenos」で着実な成長を見せている後藤理沙。本作が芸能活動復帰後の初主演映画となる。10代の石原マリコには、ティーン誌を中心にモデルとして活躍する堀澤かずみ。マリコの恋人でバンド「セーフティーゾーン」のメンバー山置洋二役には、舞台「テニスの王子様」でブレイクした河合龍之介。
そのほか、コメンテーター役に元ドロンズの大島直也、マネージャー役に女優・安達祐実の母で本作が映画初出演となる安達有里、マリコの父役に現代劇から時代劇まで数々の映画・ドラマで幅広く活躍する小西博之と、話題性と実力を備えた個性溢れるキャストが揃った。

石原マリコ(堀澤かずみ)は中学生のときに両親の離婚を経験し、父と姉と3人で新生活を始める。高校生になったマリコ(後藤理沙)は芸能界にスカウトされ女優デビュー。出演したCMやドラマが大ヒットし、一躍、時の人となる。
そんなとき、マリコは同じ事務所に所属するバンド・セーフティゾーンのメンバー山置洋二(河合龍之介)と出会い、運命的な恋に堕ちる。
幸福な時間を過ごすふたり。山置はマリコをイメージして曲を書き、ヒットチャートで1位を連発。人気絶頂で多忙な同士だったが、交際は順調に続いていくかのように思えた。
しかし山置には妻がいた。ふたりは不倫カップルとしてマスコミに追われるようになる。事務所の方針で、ひとりきりの記者会見を開くマリコ。「小学生のように無防備な恋をしています」と発言し、世間の注目を浴びる。
やがて、マスコミに追われるストレスとヒット曲を生み続けなければならないプレッシャーが、山置をマリコへの暴力に走らせる。子供の頃、父親の暴力に嫌悪感を抱いていたマリコの心は揺れる。
それでも山置への純愛を貫こうとするマリコ。だが、エスカレートする暴力に次第に違和感を覚え始める。果たして2人の関係の行く末は…。