都会から離れた港町で暮らすユリ(大政絢)。いつも片目を眼帯で隠し、どこか人と関わりを避けているようなユリにとって、ただひとり心を許せる存在といえるのが幼馴染みの和博(佐野和真)だった。
ある日、ユリの働く旅客船の発着場に、島へ渡りたいという男(竹財輝之助)がやって来る。島行きの最終便はもう出てしまい、次の船が出るのは3日後であることをユリから告げられ、男は立ち去っていく。そのとき、看板のひとつがなんの前触れもなく壊れていった……。
ひとりで暮らす家へと帰ったユリのもとを、あの男が訪ねてきた。男はユリを脅して連れ出すと、誰かから身を隠すようにしながら島へ渡る方法を探そうとする。しかし、怪我をしていた男はその途中で意識を失ってしまい、ユリは男に手当てを施して家へとかくまう。
和博にも男の存在を隠すユリは、男が特殊な力を持っていることに気づいていた。やがて、少しずつ心を開きはじめた男に、ユリは自分もまた普通の人が持っていない特別な力の持ち主であることを話す。常に眼帯で隠している片目はその力のためであること、そして、その力によってユリが失ってしまったもののこと。
ところが、偶然ユリの家を訪ねてきた和博は、ふたりの会話から、和博自身に関わる秘密を知ってしまう。動揺する和博はユリを連れて、ある事件が起こった場所を訪れる。
一方、ひとりの女(山田キヌヲ)が、ユリたちの暮らす港町へとやって来ていた。
大きく変化しはじめた日常の中で、やがてユリがくだすことになる決断とは?
ニュータイプ 〜ただ、愛のために〜
監督:廣木隆一
出演:大政絢 佐野和真 山田キヌヲ 竹財輝之助 ほか
2008年11月22日(土)からシネマート六本木、渋谷TSUTAYAシアターほかにてロードショー
2008年/ビスタサイズ/ステレオ/90分
若手女優の登竜門となった人気ドラマシリーズ「ケータイ刑事」シリーズで6代目となるケータイ刑事“銭形海”を演じた期待の新星・大政絢(おおまさ・あや)が、映画初主演を飾る。
『ニュータイプ 〜ただ、愛のために〜』で大政絢が演じるのは、特殊な力を持った少女・ユリ。「ケータイ刑事 銭形海」とは一転、力を持つゆえに人との関わりを避けようとする陰のある少女に挑み、現在17歳とは思えない大人びた表情でユリの複雑な内面を表現してみせる。
ユリを巡るふたりの男性にも、旬の男優が揃った。
ユリの幼馴染みの青年・和博には『赤い文化住宅の初子』『東京少女』『イキガミ』などの佐野和真。ユリとの自然な距離感を巧みに演じている。
ユリの日常を大きく変えていく謎の男・クォンには『未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』『百万円と苦虫女』などの竹財輝之助。普段演じることの多い等身大の青年とは対照的な役を演じきり、新たな魅力を見せた。
また、廣木隆一監督作品常連の山田キヌヲが、クォンの過去を知る女性・ミキを演じ、物語のアクセントとなっている。
プロデューサーは、「ケータイ刑事」はじめ多くのヒットシリーズを手がけ『さよならみどりちゃん』『東京少年』など、劇場用映画でも意欲的な作品を次々と発表している丹羽多聞アンドリウ。監督は幅広いジャンルで精力的に作品を発表している廣木隆一。新人女優の魅力をいち早く見出すことで定評のある丹羽プロデューサーと、“女性を美しく撮る”監督として知られる廣木監督。すでに「ケータイ刑事 銭形海」で大政絢と組んでいるふたりだからこそ引き出せる、大政絢の持つまっすぐなきらめきをスクリーンに映し出した。
- 津木野ユリ:大政絢
- 秋山和博:佐野和真
- 妹尾ミキ:山田キヌヲ
- クォン:竹財輝之助
- 監督:廣木隆一
- プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ
- 共同プロデューサー:仲尾雅至/長生啓
- ラインプロデューサー:鈴木浩介
- 脚本:加藤淳也
- 撮影:鍋島淳裕
- 照明:三重野聖一郎
- 録音:深田晃
- 美術:藤原慎二
- 編集:木村悦子
- 音楽 遠藤浩二
- 制作:BS-i
- 制作協力:ハニーバニー
- 配給・宣伝:エム・エフボックス