まだ夜明け前の街を、ひとりの青年(小西遼生)が歩いている。彼が戻った部屋には、たくさんの鉢植えがあった――。
大平映子(伴杏里)は社会人2年目のOL。忙しい仕事は単調なデスクワークの繰り返しで、満員電車に揺られて会社と家を往復する生活に疲れを感じはじめていた。
ある日、帰宅途中の映子は、電車の線路に入り込んでうずくまっている人影を見つける。巡回してきた線路の保安員に見つかり、その青年は逃げていった。
その数日後、映子はふと思い出して青年を見かけた線路へと向かい、あの青年と再会する。どうやら青年は夜になると街のさまざまな場所に花の種を撒いているらしい。その行為に興味を持った映子は、誰にも言わないことを条件に、一緒に種撒きをおこなうことを提案する。戸惑いながらも、青年=ユウスケはそれを承諾する。
こうして、映子は夜の街を歩き種を撒くユウスケと行動をともにするようになる。街の“さみしいところ”に種を撒いているというユウスケ。そうやって人知れず種を撒く行為を“花ゲリラ”と呼ぶのだと映子は言うが、ユウスケは自分の行為を“花ゲリラ”とは思っていなかった。昼間は部屋に引きこもるユウスケにとって、種を撒くことが唯一の社会との接点だったのだ。
そうやってふたりが“花ゲリラ”をおこなっていたある日、線路に入り込んで種を撒いていたふたりは、以前ユウスケを見つけた保安員・川辺(大河内浩)に見つかってしまった。注意を受けて帰るふたりは、ふとしたきっかけで口論をはじめてしまい、その日を境にユウスケは映子の前から姿を消した――。
花ゲリラ
監督:川野浩司
出演:小西遼生 伴杏里 永山たかし 馬場徹 宮野真守 ほか
2009年1月24日(土)より池袋シネマサンシャインほか全国順次ロードショー
2008年/カラー/93分
都会の片隅で、人知れず花の種を撒く青年。偶然に彼と出会ったOL。そんな男女を中心に、都会で暮らすさまざまな人々の生活を柔らかな視点で描いた映画。それが『花ゲリラ』だ。
絶大な人気を誇るミュージカル「テニスの王子様」のキャスト・スタッフが参加する映画レーベル“キラキラMOVIES”の1本として作られた『花ゲリラ』で主演をつとめるのは、テレビドラマ「牙狼 GARO」で人気沸騰し、『トリコン!!!リターンズ』『平凡ポンチ』と映画出演が続くほか、舞台でも活躍する小西遼生。本作では、世間にうまく馴染むことができない青年・ユウスケを抑えた演技で演じ、新たな魅力を見せる。また、作詞も手がけた主題歌「アカルイミライ」で歌声も聴かせてくれる。
そして、永山たかし、馬場徹、宮野真守と、ミュージカル「テニスの王子様」出演経験のある男優陣が共演。ヒロイン・映子は実力派若手女優・伴杏里が演じている。
音楽はミュージカル「テニスの王子様」のほか、数多くのアニメやドラマ、映画を手がける人気作曲家の佐橋俊彦。美しい旋律が物語を優しく彩る。
監督はやまじえびねのコミックを映画化した『LOVE MY LIFE』で注目を集めた川野浩司。登場人物ひとりひとりに優しい眼差しを向けるような演出で、心がホッとするような温かい作品を完成させた。
街の片隅にひっそりと咲く花。それはささやかだけど人々の心に光をくれる。毎日に疲れ始めたOLにも、仕事に追われる営業マンにも、言いたいことが言えないコンビニのバイトにも、そしてきっと、映画を観るあなたにも。
- ユウスケ:小西遼生
- 大西映子:伴杏里
- 粕谷浩二:永山たかし
- 山口直:馬場徹
- 田畑:宮野真守(友情出演)
- 映子の母:未來貴子
- 汪麗佳:アンナ・リー
- 薫:安藤成子
- 映子の父:なかみつせいじ
- 川辺春子:森澤早苗
- 川辺玄三:大河内浩
- 監督:川野浩司
- 原作:片岡薫夏「花ゲリラ」
- 脚本:池田眞美子
- 製作:中山晴喜/松田誠/古川陽子
- エグゼクティブプロデューサー:片岡義朗
- プロデューサー:川勝奈穂/小笠原裕樹
- 製作管理:大井守/磯山敦/鷲頭哲郎
- 撮影:今泉尚亮
- 照明:白石成一
- 録音:沼田和夫
- 美術:野尻郁子
- 編集:張本征治
- 助監督:井原真治
- 制作担当:宇賀神幸男
- スタイリスト:三橋友子
- ヘアメイク:KUMI
- 音楽:佐橋俊彦
- 主題歌:小西遼生「アカルイミライ」
- 制作協力:シネマボルト
- 製作:マーベラスエンターテイメント/ネルケプランニング/ポニーキャニオン
- 配給:ゴー・シネマ