大きな三角山がそびえる緑豊かな世嘉冨島(ゆがふじま)。この島には、島の守り神・精霊(キジムン)たちがいた。マジルー(蔵下穂波)もキジムンのひとりだ。ある日、マジルーは森の中でゆり子という少女と出会った。ゆり子は、ほかの人間には見えないマジルーの姿を見ることができた。「俺さまと話ができる人間にあったのは200年ぶりだ」。マジルーとゆり子は友情を誓いあう。「大きくなっても忘れんでよ」。
やがて年月が流れた現代。島を離れて成長したゆり子(柴本幸)は、久しぶりに島へと戻ってきた。島では、村長の息子の結婚式を前に、青年会のメンバーが式で上演する劇「大琉球王国由来記」の稽古をおこなっている真っ最中。台本を書いた昭彦(普久原明)はやる気満々なのだが、島には若い女がおらず、当然のようにヒロイン役も男で、出演者たちはどうにも稽古に身が入らない。そこに通りがかったゆり子は小さいころの顔なじみと久々の再会を果たし、その勢いでヒロイン役を頼まれてしまう。
実はゆり子は、東京で不倫の恋に疲れて島に帰ってきたのだった。その事情を隠していたのだが、周りには見透かされていた。そしてなんと、当の不倫相手の敦(和田聰宏)が東京から追いかけてきた。敦は妻と別れるというのだが、妻の梨花(中村優子)まで島にやってきて、小さな島に騒動が巻き起こる。
そんな中、ゆり子は幼い日に出会ったマジルーと再会する。ゆり子を、そしてこの島を守るのがマジルーの役目。恋に悩むゆり子のために、マジルーは“恋の秘薬”を使うのだが……。ゆり子の恋の行方はどうなる? そして、島の未来は?
真夏の夜の夢
監督:中江裕司
出演:柴本幸 蔵下穂波 平良とみ 平良進 ほか
7月18日(土)より那覇・桜坂劇場、リウボウホールにて先行ロードショー 7月25日(土)よりシネカノン有楽町二丁目、シネマート新宿ほかにてロードショー
2009年/35mm/カラー/ビスタサイズ/DTSステレオ/105分
『ナビィの恋』や『ホテル・ハイビスカス』など、沖縄を舞台にした作品で人々を魅了してきた中江裕司監督の待望の新作『真夏の夜の夢』がいよいよスクリーンに登場する。
都会での恋に疲れて沖縄の緑豊かな島・世嘉冨島(ゆがふじま)に戻ってきたゆり子。森の中でゆり子は、子供のころに出会った精霊(キジムン)のマジルーと再会する……。
ヒロイン・ゆり子を演じるのは、NHK大河ドラマ「風林火山」の由布姫を演じて一躍注目を集めた柴本幸。ゆり子と友情で結ばれたキジムンのマジルー役には『ホテル・ハイビスカス』で美恵子を演じた蔵下穂波がオーディションで3000人の中から選ばれた。そのほか『ホテル・ハイビスカス』以来2作目の中江監督作品出演となる和田聰宏、『血と骨』『ストロベリーショートケイクス』の中村優子ら若手実力派に加え、『ナビィの恋』やNHKテレビ小説「ちゅらさん」で“沖縄のおばぁ”として大人気になった平良とみをはじめ、平良進、吉田妙子、照屋政雄、玉城満といった中江作品には欠かせない沖縄のスターたちも総出演。そして『ナビィの恋』のおじぃ役で話題となった沖縄民謡界の大御所・登川誠仁も劇中の唄三味線で参加している。
撮影は、東シナ海に浮かぶ周囲約16キロの小さな島・沖縄県の伊是名島で、島の人々も出演するなど、万全の協力体制のもとでおこなわれた。中江監督とは3度目の顔合わせとなる撮影監督・高間賢治が、歴史を刻み込んだ島の風景と真夏の沖縄の豊かな自然を色鮮やかにスクリーンに映し出している。
沖縄の小さな島で、精霊・キジムンと人間たちが“幸福”の物語を織りなしていく。
- ゆり子:柴本幸
- マジルー:蔵下穂波
- タンメー:平良とみ
- アンマーハーメー:平良進
- 敦:和田聰宏
- 梨花:中村優子
- ゴゼイ:吉田妙子
- カマド:親泊良子
- 船長:照屋政雄
- 手登根権三(村長):玉城満
- 昭彦:普久原明
- 智文:津波信一
- 哲夫:川満聡
- 弘人:島袋寛之
- 手登根権吉(村長の息子):高宮城実人
- 村長秘書:小波津正光
- ゆり子(子供時代):中村玲月
- 監督:中江裕司
- 原作:W・シェイクスピア
- 脚本:中江素子/中江裕司
- 製作:佐々木史朗/川城和実/久松猛朗/李鳳宇/武政克彦/多井久晃/白石弘幸
- プロデューサー:佐藤美由紀/新井真理子/上山公一
- アソシエイト・プロデューサー:河野聡/湯原隆幸/深田誠剛/岩田由美子/中嶋嘉美/比嘉稔
- ラインプロデューサー:久保田傑
- アシスタントプロデューサー:坂巻美千代
- 撮影監督:高間賢治(J.S.C.)
- 照明:上保正道
- 録音:滝澤修
- 音響効果:柴崎憲治
- 編集:宮島竜治
- 美術:中間陽子
- 衣裳デザイン:小川久美子
- 衣裳:谷本キヨミ
- ヘアメイク:宮崎智子
- 特機:愛甲常幸
- VFXスーパーバイザー:鹿角剛司
- 監督補:具志堅剛
- 助監督:谷口正晃
- 制作担当:安田憲邦
- スチール:鈴木さゆり
- 音楽プロデューサー:佐々木次彦
- 劇中歌・唄三味線:登川誠仁
- ヴィオラ独奏:川本嘉子
- エンディングテーマ:藤澤ノリマサ「愛の奇跡」(ドリーミュージック)
- 製作:オフィス・シロウズ/バンダイビジュアル/衛星劇場/シネカノン/クオラス/ワコー/琉球放送
- 配給:オフィス・シロウズ/シネカノン/パナリ本舗