佐々木裕文(植野掘まこと)は24年間暮らした実家を離れ、初めてのひとり暮らしを始めた。新しく裕文が配属されたIT部は仕事が多く、実家暮らしでは帰宅できないこともしばしばとなったのだ。引越し当日も、突然の上司からの呼び出しによって、裕文は部屋の片付けもままならないまま出社する羽目になった。
会議の準備のため、慣れないパソコンの操作に四苦八苦する裕文に手を貸してくれたのは、共同プロジェクトのために本社からやってきたエリート社員・田村慎司(河合龍之介)だった。無愛想な慎司は、ITの知識が乏しい裕文にきつい皮肉を飛ばす。裕文は慎司の態度に反発を覚えつつも、仕事に必要な知識を身につけようと、立花都(齋藤ヤスカ)が講師をつとめるパソコン教室に通い、必死の努力を重ねていく。
ある休日、裕文は立ち寄ったラーメン屋で偶然に慎司と出会う。会社とは違った表情を見せ、裕文のパソコンのセッティングを手伝いに自宅を訪れてくれる慎司。裕文は、慎司に対する複雑な想いに気づきはじめる。
そんな中、裕文はあるきっかけから、幼なじみで姉のような存在の上条佐和子(清水美那)が、かつて慎司と付き合っていたことを知ってしまう。この感情は、嫉妬? 自分の気持ちに戸惑う裕文。そして佐和子と慎司も、互いの裕文との関係を知る中で、それぞれに気持ちを揺らせていく……。
関わりたいのか、関わりたくないのか、わからない。でもずっと考えてしまう、あいつのこと。裕文と慎司、ふたりの運命がたどる先は?
愛の言霊〜世界の果てまで〜
監督:金田敬
出演:植野掘まこと 河合龍之介 齋藤ヤスカ 清水美那 ほか
2010年8月7日(土)よりシアターイメージフォーラムにてレイトショー
2010年/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/90分
男性同士の恋愛を描き大きな反響を呼んだ『愛の言霊』から3年。もうひとつの“愛の言霊”の物語がスクリーンに綴られる。待望の続編『愛の言霊〜世界の果てまで〜』の主人公となるのは、IT部門に配属され慣れない仕事に戸惑う青年・裕文と、本社からやってきたエリート社員の慎司。惹かれあっていくふたりを、前作『愛の言霊』の主人公・立花都が見守る。
キャストには、次々とスターを送り出すミュージカル「テニスの王子様」出演経験を持つ3人の若手男優が集まった。裕文を演じるのは、13代目いいとも青年隊としての活躍でも知られる植野掘まこと。映画初出演にして初主演をつとめ、中性的な魅力で少年のようなナイーブさをもった青年を好演している。
裕文と惹かれあっていく慎司役には『タイマン』『手のひらの幸せ』と主演作の続く河合龍之介。本作では無愛想で素直に気持ちを出せないエリート社員役で新たな魅力を発揮し、初めて映画主題歌も担当している。
そして立花都は、もちろん前作に続き齋藤ヤスカが演じ、前作との橋渡し役を果たしている。また、本作には登場しない立花の恋人・晋也の存在をうかがわせる仕掛けが劇中に散りばめられているのも前作のファンには嬉しいところだろう。
そして、紅一点のキャスト・清水美那が、裕文と幼なじみで、慎司と裕文の関係に心を揺らす佐和子を切なく演じる。
脚本は「カフェ代官山」シリーズ「タクミくんシリーズ」など、若手男優陣の魅力を引き出す作品に定評のある金杉弘子。前作『愛の言霊』も手がけた『青いうた』『春琴抄』などの金田敬監督が、登場人物の心理を繊細に描いていく。金田監督ならではの情感あふれるラブシーンも見所だ。
- 植野堀まこと
- 河合龍之介
- 清水美那
- 日向丈
- なかみつせいじ
- 齋藤ヤスカ
- 監督:金田敬
- 原案:紺野けい子(原作:ダリアコミックス「愛の言霊」(フロンティアワークス刊)より)
- 脚本:金杉弘子
- 製作:安西崇/川村明廣/及川武
- 製作・プロデューサー:三木和史
- プロデューサー:小林智浩/梅橋美香/吉成賢一
- 撮影:今井裕二
- 照明:大町昌路
- 録音:土屋和之
- 美術:石毛朗
- 衣裳:手塚勇
- ヘアメイク:中尾あい
- 編集:小林由加子
- 助監督:佐藤吏
- 製作担当:尾関玄
- 音楽:MOKU
- 主題歌:河合龍之介「僕らへ…」(作詞:河合龍之介・Ryu's BEst Friends/作曲:Ryu's BEst Friends)
- 製作:日本出版販売/ビデオプランニング/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント/フロンティアワークス
- 制作・配給:ビデオプランニング
- 宣伝:フリーマンオフィス