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見えないほどの遠くの空を

監督:榎本憲男
出演:森岡龍 岡本奈月 渡辺大知 ほか

2011年6月11日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

2011年/カラー/HD/ステレオ/99分

イントロダクション

作品スチール

 学生たちが作っていた映画は、主演女優の突然の死によってラストシーンを残して未完成のままとなった。それから1年後、監督だった青年は死んだ主演女優そっくりの女性と出会い、彼女をヒロインの代役に映画を完成させようとする……。
 『見えないほどの遠くの空を』は、劇場支配人、番組編成、プロデューサー、脚本家と、映画業界でキャリアを重ねてきた榎本憲男が初めて監督をつとめた作品だ。大学の映画研究会を舞台に、意外な展開を見せるストーリーが美しい映像と若手俳優たちのまっすぐな演技で綴られていく。
 主人公の賢を演じるのは森岡龍。『グミ・チョコレート・パイン』『色即ぜねれいしょん』など話題作への出演が続く若手俳優の森岡は、実際に大学の映画研究会で映画制作をおこなっておりPFFの入選経験も持つ。「自分自身でものを作り上げる人間のオーラを感じる」という榎本監督のリクエストによって本作の主演に起用された。
 ヒロイン・莉沙には『ソラニン』『ヒーローショー』などの岡本奈月。莉沙の恋人・光浦にはバンド・黒猫チェルシーのボーカルで『色即ぜねれいしょん』で主演をつとめた渡辺大知。そのほか、橋本一郎、佐藤貴広、前野朋哉、中村無何有らが共演。渡辺、橋本、前野、中村と、主演の森岡同様に映画研究会所属経験を持つキャストが多いのもこの映画の特色のひとつだ。
 スタッフは、撮影監督の古屋幸一、編集とポストプロダクションマネージャーをつとめる石川真吾ら気鋭の若手を中心に、音楽にはアジア映画も手がける安田芙充央、衣裳にはベテランの高橋靖子が参加している。
 若者は「映画作り」を通じてなにを見出すのか? 『見えないほどの遠くの空を』は「映画の力」を我々に教えてくれる。

ストーリー

作品スチール

 大学の映画研究会に所属している高橋賢(森岡龍)は、卒業前の最後の作品として『ここにいるだけ』というタイトルの映画を監督していた。公園にある大きな木の下でラストシーンの撮影が進んでいく。そしてカットがかかる直前、ヒロインを演じる杉崎莉沙(岡本奈月)は、シナリオに書かれていないセリフを口にした。
 突然の激しい雨で撮影は中断となり、部室に戻った賢と莉沙は言葉を交わす。『ここにいるだけ』の製作が決まったときから、賢と莉沙の間には意見の食い違いがあった。最後のセリフを変えたいという莉沙。しかし、映画のテーマにかかわるだけに、賢もそれを了承することはできなかった。莉沙と充分に話をすることはできず、賢は映画の意図を説明する莉沙宛ての手紙を書くと、部室のポストへと入れる。
 だが、撮影の再開を翌日に控えた夜、賢のもとに入ったのは、交通事故で莉沙が死んだという報せだった。葬儀に出席したあと、部室のポストから莉沙に届かなかった手紙を持ち帰る賢。『ここにいるだけ』は、最後のワンショットを残して未完成のままとなった。
 それから1年後、賢は街で莉沙にそっくりな女性の姿を見かける。思わず彼女のあとをつけると、女性がやって来たのは『ここにいるだけ』のロケ撮影をおこなっていた、あの公園の大きな木の下だった……。
 賢は、その女性・洋子(岡本奈月/二役)をヒロイン役にして『ここにいるだけ』を完成させようとする。なんとか洋子を説き伏せた賢は、元・映研のメンバーにも声をかけ、撮影の準備を進めていくのだが……。

キャスト

  • 高橋賢:森岡龍
  • 杉崎莉沙/洋子:岡本奈月
  • 光浦丈司:渡辺大知

  • 佐久間:橋本一郎
  • 井上:佐藤貴広
  • 森本:前野朋哉
  • 山下:中村無何有
  • 平川;桝木亜子

スタッフ

  • 脚本・監督:榎本憲男

  • 企画:狩野善則/榎本憲男
  • 製作:岩井博紀/関浩太郎/高森厚太郎/下田淳行/田中久美/木村立哉
  • プロデューサー:狩野善則/内藤諭/四宮隆史/崎本志穂

  • 撮影監督:古屋幸一
  • 照明:福長弘章
  • 録音:那須信也
  • 整音:臼井勝
  • 編集:石川真吾
  • 衣装:高橋靖子/坪井文美/木下しづ子
  • ヘアメイク:渡邉茜

  • 音楽:安田芙充央

  • 制作プロダクション:ドゥールー/クジラノイズ
  • 製作:「見えないほどの遠くの空を」製作委員会
  • 配給:ドゥールー/コミュニティアド

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