関ヶ原の戦いののち、徳川家が天下統一を果たそうとしていた慶長九年、京の都。幼いころより父親に厳しく鍛えられてきた若者・武蔵(細田善彦)は、剣術の名門として知られる吉岡家の当主・吉岡清十郎(原田龍二)に試合を申し入れる。
所司代に届け出のもとで武蔵と清十郎との試合がおこなわれ、木剣で試合に臨んだ武蔵は清十郎に勝利する。そのままでは終われない吉岡家は清十郎の弟・伝七郎(武智健二)を立てて再び武蔵と試合うが、武蔵は伝七郎にも勝利する。
二度の敗北を期した吉岡家は、清十郎の子でまだ幼い弥七郎を名目人として武蔵に果たし合いを申し入れる。武蔵の姉・吟(遠藤久美子)は、幼子を斬るつもりなのかと武蔵に問う。だが、吉岡家はかつて武蔵の父親・無二斎が三度にわたり試合をし二度の勝利を収めた相手。武蔵は、父親を越えたいという思いゆえに、果たし合いへと向かう。
迎えた一乗寺下がり松での戦い。弥七郎を斬らずに決着をつけようとする武蔵であったが、大勢の吉岡門弟が斬りかかる混戦の中で、意に反して弥七郎を斬ってしまう……。
一方、武蔵が吉岡家に試合を申し入れたのと同じころ、細川家の重臣・沢村大学(目黒祐樹)は、所司代に向かう道中でひとりの修験者と出会う。それは、剣術の達人として知られる佐々木小次郎(松平健)であった。
一乗寺下がり松の戦いのあと、武蔵は禅僧・太木慧道(若林豪)のもとに身を寄せ「空」の教えを乞うていた。そして佐々木小次郎は、沢村と細川家の家臣・長岡興長(半田健人)により、細川家の剣術指南に取り立てられていた。
やがて多くの人々の思惑が交錯する中で、武蔵と小次郎は“巌流島”での決闘に臨むこととなる……。
武蔵−むさし−
監督:三上康雄
出演:細田善彦 松平健 目黒祐樹 水野真紀 若林豪 中原丈雄 清水綋治 原田龍二 遠藤久美子 武智健二 半田健人 木之元亮 ほか
2019年月日(土)より ロードショー
2019年/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/120分
幼いころより父親に厳しく鍛えられた若者・武蔵。円熟に達した剣術の名手・佐々木小次郎。人々の思惑が交錯し生まれる大きなうねりの中で、やがてふたりは剣を交えることとなる……。
2013年公開の本格時代劇『蠢動−しゅんどう−』で映画ファンに鮮烈な印象を残した監督・三上康雄。世界12ヶ国での公開を果たした『蠢動−しゅんどう−』に続き送り出されるその新作が『武蔵−むさし−』だ! 誰もが名を知る“武蔵”を題材に選び、綿密な取材と史実に基づくオリジナルストーリーによって、これまで描かれることのなかった「武蔵の素顔」をスクリーンへと映し出していく。
武蔵を演じる細田善彦、佐々木小次郎役の松平健をはじめ、目黒祐樹、水野真紀、若林豪、中原丈雄、清水綋治、原田龍二、遠藤久美子、武智健二、半田健人、木之元亮と、キャストには若手からベテランまで豪華な俳優陣が顔を揃えた。12名の主要登場人物ひとりひとりが丁寧に描写され、映画『武蔵−むさし−』は12名全員が主役といえる群像劇となっている。
オールロケ撮影による実感あふれる風景や、カラーとモノクロームの狭間のような絶妙な色調など、こだわりぬかれた美しい映像にも注目だ。そして、武蔵と吉岡一門の一乗寺下がり松の闘いや武蔵と小次郎の「巌流島の決闘」をはじめとする殺陣のシーンは、圧倒的な迫力で観る者を引き付けるのに加え、ひとつひとつの殺陣が雄弁に物語を語っていく。
武蔵は、小次郎は、彼らを取り巻く人々は、なにを信じ、なにのために行動するのか? 『武蔵−むさし−』は、ダイナミックな展開の中に、人それぞれが選ぶ“生き様”を浮かび上がらせていく。
- 新免武蔵: 細田善彦
- 佐々木小次郎:松平健
- 沢村大学:目黒祐樹
- ユキ:水野真紀
- 太木慧道:若林豪
- 板倉勝重:中原丈雄
- 吉岡七左衛門:清水綋治
- 吉岡清十郎:原田龍二
- 吟:遠藤久美子
- 吉岡伝七郎:武智健二
- 長岡興長:半田健人
- 大島直治:木之元亮
- 新免無二斎:須藤正裕
- サエ:瀬戸さおり
- 後藤又三:黒木真二
- 平野義平:鈴木有史
- 倫:秋月成美
- 松尾十郎:真木仁
- 武田忠次:勝亦正
- 藤木浩助:太田聡
- 今屋三郎:横山恒平
- 宍戸:児玉純一
- 吉岡亦七郎:小林郁大
- ナレーター:増田晋
- プロデューサー・脚本・監督・編集:三上康雄
- 武術・殺陣創案:中村佳夫
- 監督助手・所作:中川邦史朗
- 撮影:江部公美
- 照明:山口晴弘
- 録音:尾崎聡
- 音響効果:伊藤進一
- 音楽創案・構成:三上康雄
- 津軽三味線指揮:小田島徳旺
- 現場制作統括:堂庭章
- 国内配給:アークエンタテインメント
- 海外配給:東映
- 製作:三上康雄事務所