文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、手塚治虫文化賞短編賞を受賞するなど高く評価されている森田裕美さんのコミックを映画化した『大阪ハムレット』が１月17日に初日を迎え、シネスイッチ銀座で主演の松坂慶子さん、岸部一徳さんと光石富士朗監督らが舞台あいさつをおこないました。
『大阪ハムレット』は、大阪の下町で暮らす久保一家を主人公にした笑いあり感動ありの人間ドラマ。
久保一家の大黒柱である肝っ玉母さん・房子を演じた松坂さんは「なにがあっても立ち止まらないで、前に前に生きていこうというバイタリティあふれる大阪のオカンを演じられて、とても楽しかったです。熱意あふれる光石監督と、深さと重さを与えてくださる岸部さん、素敵な子供たちと一緒にできてほんとに楽しい撮影でした」とあいさつ。
いつの間にか一家とともに暮らすオッチャンを演じ、昨年の東京国際映画祭・ある視点部門特別賞を受賞した岸部一徳さんは「個人賞というのは作品の力でいただけるものだと思っているので、作品を認めてもらったということでそれがすごく嬉しかったですね」と受賞を振り返り「いろいろな役をやった中で、たぶんこの役が自分に一番近くて、理想みたいな感じがするんですよね。だからほんとに楽しかったです」と役について語りました。
また、個性豊かで、それぞれの悩みを抱える３人の兄弟を演じる若い俳優たちの演技もこの映画の大きな見どころのひとつ。最年少である小学生の三男役・大塚智哉さんは「松坂さんも岸部さんも大スターなので緊張していたけれど、松坂さんも岸部さんも全然偉そうじゃなくて、ほんわかしていて安心してできました」と撮影を振り返り、そのコメントに客席からは笑いもこぼれました。
『大阪ハムレット』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった光石富士朗監督、森田直幸さん、松坂慶子さん、大塚智哉さん、岸部一徳さん、久野雅弘さん（左より）
「わたくしもほんとに大好きな映画なので、たくさんの方に来ていただいて感激しております。楽しんでいただけたら嬉しいです」とあいさつした房子役の松坂慶子さん
オッチャン役を演じた岸部一徳さんは、松坂さんとの共演について質問されると「ぼくも松坂さんの子供になったような気がして、甘えたくなりました」と感想を述べました
映画の舞台である大阪について「大阪の人は固いこだわりをパッと捨てていく感じがして、そういうところは見習いたいなと思います」と印象を語った光石富士朗監督
「一昨年、東京に来てから初めて出た作品で、思い出に残っている作品です。楽しんで観てください」とあいさつした一家の長男・政司役の久野雅弘さん
「今日、初日を迎えることができて、この場所に立つことができてすごく嬉しいです。たくさんの方に観ていただきたいです」と三男・宏基役の大塚智哉さん
「映画の中では（自分と）正反対のヤンキーの役をやっているんですけど、その頑張りを見ていただけたら嬉しいと思います」と次男・行雄役の森田直幸さん
光石監督は「この映画は手作りの映画です。手作りの映画なので（公開に向けて）みなさまの人情というのが力になったと思っています。この映画がみなさまに愛されて、広がっていくことを切に願っております」と映画をＰＲしました
大阪を舞台に、ハムレットを読みふけり人生に悩むヤンキーの次男をはじめ、それぞれの抱える問題に悩みながらも前向きに生きていく久保一家を描いた『大阪ハムレット』は、１月17日(土)より、シネスイッチ銀座、シネ・リーブル梅田ほか、全国ロードショーされています。