“女子高生の制服”にこだわった映画を撮り続けている勝又悠監督の最新長編作『See You』が6月16日に新宿K's cinemaで初日を迎え、主演の園部貴一さんと清瀬やえこさんらキャストと勝又監督が舞台あいさつをおこないました。
『See You』は、制服の女子高生としか向きあえないというコンプレックスを持ち、偶然出会った女子高生を衝動的に拉致してしまった青年・昌一と、拉致された女子高生・愛の数日間の旅を描いた作品。
昌一を演じた園部さんは、特異なコンプレックスを抱いた役に「誰にでもコンプレックスはあると思うので、自分なりのコンプレックスを探して、そことうまく噛みあえばいいなというところで演じさせていただきました」とコメント。
愛役の清瀬さんは「この映画は“制服の映画”と言われがちですが、私は完成した映画を観て男女の特性とか関係性がよくわかっている映画だと思ったので、制服プラス、切ない部分とか男女の成長の部分も観てもらえたら嬉しいです」と語りました。
「コンプレックスはさらけ出した者勝ち」:『See You』初日舞台あいさつ
舞台あいさつをおこなった勝又悠監督、前川桃子さん、園部貴一さん、清瀬やえこさん、桜井淳美さん、近藤圭子さん(左より)
「女子高生の輪の中から内側を撮るという作業は前作の『オードリー』で完結したつもりなので、その輪の外に飛びだして客観的に見るというのが次の作業じゃないかなと思った」という勝又悠監督
「淡々とした映画ではあるんですけど、ワンシーンごとじっくりと想いを込めて作った作品だと思うので、瞬きせずにとは言いませんが、見入っていただけたらなと思います」と荒井昌一役の園部貴一さん
「演じたときは20歳で制服から少し離れていたのと、高校生らしい高校生をあまりやってこなかったので、高校生のリアリティってなんだろうとずっと考えていました」と小塚愛役の清瀬やえこさん
「監督が思っている女子高生と自分が思ってる女子高生って同じ部分もあるけど違う部分もあるので、難しいところもあり、共感できるところもあるという感じ」という愛の妹・宏美役の近藤圭子さん
「勝又ワールドが炸裂してますので、切なくなってポロッとするところもあるし、大笑いしていただけるところもあると思います。最後までじっくりご鑑賞ください」と愛の母・利香子役の桜井淳美さん
昌一の恋人・遠藤悦子を演じた前川桃子さんは「演じる上で考えていたのは“私(悦子)がいるから、彼(昌一)は女子高生と旅に出たんだ”という、願いのような気持ちでいました」とコメント
勝又監督は「自分では(制服へのこだわりを)コンプレックスだと思っていないんですけど、逆に周りが気を遣っていますね(笑)。コンプレックスというのは、さらけ出さないうちは先端がこっちを向いて自分に突きつけられている状態なんですけど、さらけ出したらクルっと向いて武器になると思っています。さらけ出した者勝ちですね」と語り、舞台あいさつを締めくくりまいた。
『See You』は6月16日(土)より新宿K's cinemaにて上映のほか、小田原コロナワールドでは9日より上映中。両劇場とも、勝又監督の前作『オードリー』も同時期に公開されています。