日本の文豪たちの短編小説を気鋭の監督陣と注目のキャストで映画化したオムニバス映画『BUNGO 〜ささやかな欲望〜』(9月29日公開)の公開を前にしたイベントが9月24日に丸善丸の内本店で開催され、オムニバスの1編「幸福の彼方」に主演した波瑠さんと同作のメガホンをとった谷口正晃監督がトークショーをおこないました。
『BUNGO 〜ささやかな欲望〜』は男女の機微を描いた6本の短編を、そのテーマから『告白する紳士たち』『見つめられる淑女たち』3本ずつ2作品に分けて同時公開するもの。林芙美子さんの同名短編を原作とした「幸福の彼方」は、昭和初期の日本を舞台に、見合いで出会った若い夫婦の物語で『告白する紳士たち』の1編として上映されます。
波瑠さんと谷口監督は「お芝居の方向とか、私が迷っていることに(監督が)気づいてくれるので、安心して現場にいれました」(波瑠さん)、「CMで見ていいなと思っていたら、ヒロイン役を波瑠さんにオファーしようという話が出て嬉しい偶然というか縁だと思ってます。彼女は裏表がない自然体で、カッコつけないところがカッコいいという感じですね」(谷口監督)とお互いの印象や撮影中のエピソードを披露。
波瑠さんは「夫婦の愛だったり親子の愛だったり“愛のあり方ってなんなんだろう?”と考えさせられる映画ですね。ぜひ、自分の大事な人と観てもらえるといいなと思っています」と、谷口監督は「ほんとに(キャストが)いい芝居をしています。奇をてらったことはしていないんですけど、しっかり芝居を見て人間を見てもらえる映画ができてると思うので、ぜひたくさんの人に観てもらいたいと思います」と、それぞれ見どころを紹介しました。
Tweet
波瑠さん「秘密は絆が深まるもの」:『BUNGO 〜ささやかな欲望〜』公開直前イベント
イベントに出演した波瑠(はる)さん(左)と谷口正晃監督
完成した作品を観て「じんわりとくる、心に残る映画だなと思いました」という主人公・絹子を演じた波瑠さん
「(波瑠さんの)こみあげてきたものが撮れたカットが何度かあるんですけど、ほんとにいいですね」と谷口正晃監督
トークショー中の波瑠さんと谷口監督
「幸福の彼方」は、夫が妻に明かすある“秘密”を巡るストーリーで、波瑠さんは「私自身はなんでも喋っちゃうから、秘密ないです(笑)」と笑いつつ、劇中の“秘密”について「特別な人としか共有しないものという意味では、絆がすごく深まるものなのかなと思います」と話しました。
また『BUNGO 〜ささやかな欲望〜』は、日本映画初の試みとして、作品のパンフレットを電子書籍として発売。スタッフ・キャストなど映画の情報に加え、6編の原作小説全文とシナリオ全文を収録、さらに「人妻」(原作:永井荷風)で主演をつとめた谷村美月さんによる原作朗読や、JOOWON(チュウォン)さんが歌う主題歌「撫子」、JOOWONさんの特典映像なども収録されており、マルチな角度で作品を楽しめる電子パンフレットになっています。
波瑠さんも実際に電子パンフレットの操作を体験。「幸福の彼方」の画面を表示させてポーズ
「注文の多い料理店」などの名作を新たな感覚で映像として現代に蘇らせた『BUNGO 〜ささやかな欲望〜』は、9月29日(土)より角川シネマ有楽町ほか全国順次ロードショーされます。