舞台あいさつをおこなった、岸明日香さん、宮川一朗太さん、池内万作さん、桜井ユキさん、藤本涼さん、前田吟さん、山本陽子さん、山本學さん、小林兄弟＝小林克人監督・小林健二監督（左より）
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兄弟監督・小林兄弟が豪華なキャストを迎えて送るクライム・サスペンス『フローレンスは眠る』が３月５日にTOHOシネマズ日劇で初日を迎え、主演の藤本涼さんとヒロインを演じた桜井ユキさん、共演の前田吟さん、山本學さんら出演者と小林克人・健二両監督が舞台あいさつをおこないました。
兄・克人監督と弟・健二監督の実の兄弟コンビによる長編第２作『フローレンスは眠る』は、同族企業の大会社３代目新社長の誘拐事件をきっかけに、事件の首謀者である社長秘書の青年や、事件を極秘裏に処理しようとする２代目社長、会社の主導権を握ろうとする副社長など、さまざまな人々の思惑が交錯していく物語。健二監督が製作総指揮もつとめる自主製作作品でありながら、リクエストにより映画を上映するサイト・ドリパスのチャレンジプロジェクト作品としてTOHOシネマズ日劇での上映が実現しました。
主人公・牧羽剛を演じた藤本さんはこれが映画初主演で「ひじょうに高揚しております」とあいさつ。初主演作で日劇という大舞台に「ただただ嬉しくて、ほんとにみなさまのおかげで、監督筆頭にスタッフさん、大先輩の方に支えられて、ついてきて、心からよかったなと思っております」と心境を語りました。
牧羽に誘われ事件に加担する女子社員・氷坂恵を演じた桜井さんは「自主製作の良さというか、台本の段階から参加させていただくことというのはあまりないんですけど、監督ふたりが役についての想いとかいろいろ意見を聞いてくださったので、役者としても勉強になりましたし、いい経験になったなと思います」とコメント。
小林克人監督は「撮影が終わったのは２０１４年の秋で、１年半かけてやっとこの舞台を迎えることができました」と初日を迎えた喜びを述べるとともに「ぼくたちは黒澤明監督が大好きで、黒澤明監督が“映画にとって一番大切なのはなにか？”という質問に対して“映画というのはシナリオとキャストだよ”とおっしゃられたそうです。ただ、シナリオというのはやっぱり文字なんですね。映画というのはやはり俳優さんの力によってできるんだということをつくづく実感いたしました。この場を借りてお礼申し上げます。ほんとうにありがとうございました」と、出演者に感謝の意を示しました。
TOHOシネマズ日劇での上映は、ドリパスチャレンジプロジェクトで事前のチケット予約が規定の枚数に達したことで実現に至ったもののため、登壇者は口々にチケット購入者である客席のみなさんに「みなさまのおかげ」と感謝の言葉を。誘拐される新社長・佐藤英樹を演じた宮川一朗太さんは「毎日のようにドリパスのサイトを見ていました。すごく予約が入る日もあればほとんど動かない日もあって、やきもきしながら見ていましたね(笑)。（上映決定の）枚数に到達したときは“ヨシ！”みたいな感じでしたし、さらに行って（１週間上映の条件となる）４００枚に行ったときには“１週間決まったー！”みたいな、すごく喜んじゃいました」と明かしました。
副社長・佐藤勇次郎を演じた前田さんは「ぼくはこの映画が１０１本目なんだよね。第１作が『ドレイ工場』という50年前の映画なんだけど（※１９６８年公開／山本薩夫監督・ 武田敦監督）、それがたまたまふたりの監督で、いわゆる映画会社の映画じゃない独立プロの作った映画だった。それで１００本過ぎたあとこの映画のオファーが来たときに“ふたりの監督で小さな会社が作る”というので」と、出演オファーに縁を感じたと振り返り、人気アイドルは出ていないけど、と笑いも交えつつ「このメンバーでがんばりましたから、今日から１週間この劇場をいっぱいにしたいという熱い気持ちはありますので、どうかよろしくお願いします」と、力強く映画への応援を呼びかけました。
健二監督は「たぶん、この映画を完成させるために数百人レベルの方がただならぬご協力をしていただきました。特にキャストのみなさまに関しましては、學さん、吟さん、陽子さん、はるかに業界の長い先輩たちが、まだ２本目のぼくと兄の手を取るように足を取るように、自分の子供を育てるような目線で、むしろぼくと兄は映画を撮らせていただいたというふうに思っています。その映画がですね、こうして日劇という大劇場でかかるというのは、ほんとにまだ夢の中にいるみたいです。こんな自主映画に協力をしてくださったTOHOシネマズの方々に深く感謝を申し上げたいと思います。ほんとにありがとうございました」と、企画スタートから公開までの約５年に映画に関わった方々への謝意を示し「ぼくと兄は、いつも“これが最後”という気持ちで映画を作っています。できましたら、映画をご覧になったあと、その感想を周りの方にいっぱい広げていただけないかなと思っております。１館でも多く、１日でも長く、全国の映画館でできるだけ『フローレンスは眠る』をかけられるよう私も鋭意努力していきますので、ぜひ熱いご支援を続けていただけないかなと思っています。できましたら、もう１本撮らせてください」と、本作にかける想いと次回作への意欲を述べて舞台あいさつを締めくくりました。
舞台あいさつ登壇者のほか、山口果林さん、東幹久さん、村上ショージさんらが出演、自主映画でありながら往年の日本映画のような大きなスケール感を持った『フローレンスは眠る』は、３月５日(土)より11日(金)までTOHOシネマズ日劇にて１日１回上映され、４月16日(土)よりシネマート新宿にて公開、ほか全国順次公開されます。
