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金子雅和監督『アルビノの木』がポルトガルの映画祭・FFA2017で日本映画初受賞にして三冠

 金子雅和監督が「自然と人間」をモチーフに描いた『アルビノの木』が、ポルトガルで開催された映画祭「フィゲイラ・フィルム・アート2017」(FFA2017)で、日本映画初受賞にして最優秀長編劇映画を含む三冠に輝きました。

 「フィゲイラ・フィルム・アート(Figueira Film Art)」は、ポルトガルのリゾート地として知られるフィゲイラ・ダ・フォズで開催される映画祭。1972年より2002年まで開催され、約10年の中断期間を経て2014年より毎年開催されています。
 2017年は8月28日より9月3日まで開催され、世界23ヶ国の67作品を上映。メインコンペティションにあたる長編劇映画部門(Longas Ficção)では10ヶ国の15作品がエントリーし、『アルビノの木』が最優秀長編劇映画、最優秀監督、最優秀撮影の三冠を受賞しました。

 ポルトガルの大学で映画教育に携わる教授でありフィゲイラ・フィルム・アートの審査委員長をつとめるアンドレージ・コワルツキ(Andrzej Kowalski)さんは『アルビノの木』について「『アルビノの木』は、ある地域の観光に被害を与える一方で別の地域社会では尊敬されている「珍しい白鹿」を殺すことで大きな報酬を得る契約を受け入れた猟師の、倫理的ジレンマを伝える」とコメント。
 金子雅和監督は現地での授賞式出席はかないませんでしたが、映像で「素晴らしい賞を3つもいただき、心から光栄です。私はこの映画の最終仕上げを考慮しているとき、仮編集版を見た友人の薦めがあり、ポルトガルの偉大な巨匠、マノエル・ド・オリヴェイラ監督の作品を見直し、大きな指針を得ました。ですので、ポルトガルでの受賞には非常に大きな意味があり、審査員のみなさまのご判断に深く感謝いたします。今回、ポルトガルに行けなかったことは非常に残念ですが、将来新しい作品で再び、フィゲイラ・ダ・フォズを訪れます。ありがとうございました」とメッセージを現地に送りました。

【『アルビノの木』予告編】

 『アルビノの木』は、害獣駆除に携わり山に住む白い鹿の駆除を依頼された青年を主人公に、白い鹿を神の使いと崇める村の男女と青年の姿を通して、自然と人間との関係を描いた現代の民話的作品。金子監督が撮影も手がけており、ロケにより実現した美しい映像が作品の大きな魅力となっています。

 昨年7月に東京のテアトル新宿で公開されて以降、全国各地で順次公開が続いており、9月23日(土)と24日(日)には主要ロケ地となった長野県の須坂市(23日・シルキー第一ホール、24日・メセナ小ホール)で初上映されるほか、11月18日(土)にはやはり長野県のうえだ城下町映画祭で上映されることが決定しています。

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