「たったひとりで制作する長編アニメ」として注目を集めた坂本サク監督『アラーニェの虫籠』のスピンオフ作品『アムリタの饗宴』(2021年公開予定)のティザーポスターヴィジュアルが公開されました。
『アムリタの饗宴』は、2018年に劇場公開された『アラーニェの虫籠』の前日譚となるスピンオフ作品。ヒロインの女子高生“たまひ”が、曰くつきの巨大集合住宅で遭遇する怪異が描かれていきます。
もちろん、常識を覆す「たったひとりで制作する長編アニメ」を実現させた『アラーニェの虫籠』と同様、坂本サク監督が監督・アニメーション・音楽・原作・脚本とアニメーション制作の全工程をひとりで担当。短編ではなく30分を越える作品となる予定です。
新たな主人公であるたまひや、たまひの体験する怪異が、前作である『アラーニェの虫籠』とどうリンクするのか、また前作でその卓越した画力に加えて優れたストーリーテリングの力も見せた坂本監督がどんな新たな物語を描き出すのか、来年2021年に予定されている公開に向け期待が膨らみます。
また、気になる出演声優はまだ未定となっており、発表が待たれます。
今回の『アムリタの饗宴』、前作『アラーニェの虫籠』と「アラーニェの虫籠」シリーズを手がける坂本サク監督は、20代から自主制作の短編アニメーションが国内外の映画祭で受賞するなど高い評価を受け、2002年以降はフリーのアニメーション作家としてアニメーションやCG・VFXなどで実写作品も含め多くの作品に参加、初の長編監督作として『アラーニェの虫籠』を送り出しました。
人気声優の花澤香菜さんを主演に迎え、女子大生の“りん”が巨大集合住宅で奇妙な「虫」を目撃したことから始まる怪異を描いた『アラーニェの虫籠』は、前代未聞の「たったひとりで制作する長編アニメ」であると同時にホラーというジャンルにアニメで挑んだ作品としても注目を集め、アヌシー国際アニメーション映画祭、ザグレブ国際アニメーション映画祭など、世界各地の国際アニメーション映画祭でも上映されています。
現在はDVD・Blu-rayディスクが好評発売中のシリーズ第一弾『アラーニェの虫籠』の貴重な資料を展示するイベント「一人で作る長編アニメの世界 ~『アラーニェの虫籠』と坂本サク展」が、1月5日より19日まで渋谷の展示スペース・Room412で開催されています。
同イベントは入場無料のイベントで、坂本サク監督による初期設定資料や原画、背景画などが展示され『アラーニェの虫籠』の制作過程の一端を窺い知れるのに加え、なんと『アラーニェの虫籠』本編と坂本監督の初期短編集も連日1日4回スクリーンで上映されています。
まさに『アラーニェの虫籠』、そして坂本サク監督の魅力を堪能できるこのイベントでは、週末や休日に坂本監督や、同作をプロデュースした福谷修さんによる解説トークも実施。トークでは『アラーニェの虫籠』制作の裏側の解説に加え、新作『アムリタの饗宴』の最新情報も紹介される模様です。
坂本サク監督プロフィール
1976年、東京都生まれ。2000年多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。
短編アニメ『摩訶不思議』(2000年)、『フィッシャーマン 』(2002年)が「広島国際ア ニメーションフェスティバル」に連続入選、「キリンアートアワード」優秀賞を受賞したのを始め、内外のコンテスト、映画祭で多数受賞。ロッテルダム国際映画祭など海外の十以上のフェスティバルで紹介される。
2002年よりフリーランスのアニメーション作家として、ショートムービー、TVのタイトル映像や、CM、 PV、映画のVFXの制作、アートディレクション、演出の仕事に携わる。近年は、押井守監督作『イノセンス』(2004年)のデジタルエフェクト、ドラマ「MOZU」(2015年)のイラスト&アニメーショ ン、NHK「みんなのうた」の監督、愛媛県松山市PRオリジナルアニメ『マッツとヤンマとモブリさん~七つの秘宝と空飛ぶお城』(2013年)『マッツとヤンマとモブリさん2~水軍お宝と謎解きの島々』(2014年)などの監督を手がけている。
他に、参加作品として、『呪怨』の清水崇監督の監修によるホラー映画『もうひとりいる』((2002年/柴田一成監督)のVFX、音楽、 PlayStation3用ソフト『鉄拳タッグトーナメント2』のエンディングムービー制作などがある。
『アムリタの饗宴』の最新情報は、今後『アラーニェの虫籠』公式サイトで発表されます。映像ソフトやイベントで『アラーニェの虫籠』を体験し、饗宴の開幕を待ちましょう!
※fjmovie.comでは2018年の公開時に坂本サク監督インタビューなど『アラーニェの虫籠』関連記事を掲載しています。そちらもぜひご覧ください。