舞台あいさつをおこなった小野匠(おの・しょう)さん、財田ありさ(たからだ・ありさ)さん、新田桃子(あらた・ももこ)さん、茜屋日海夏(あかねや・ひみか)さん、真田佑馬さん、佐藤克則監督(左より)
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人気グループ・7ORDERの真田佑馬さんが初の映画プロデュースをつとめた『30S』(サーティーズ/8月11日公開)の完成披露試写会が7月27日にテアトル新宿でおこなわれ、真田さんと主演の小野匠さん、共演の財田ありささん、新田桃子さん、茜屋日海夏さん、佐藤克則監督が舞台あいさつをおこないました。
『30S』は、音楽活動に留まらず多彩な活躍を見せるアーティストグループ・7ORDERで活動する真田佑馬さんが、かねてからの「映画をつくる」という目標を実現させ、自身の年齢である「30歳」をテーマに原案とプロデュースをつとめた作品。
30歳の誕生日を目前に控えた青年・向井タケルと彼の大学時代の同級生で誕生日が同じ長嶺蓮香(ながみね・れんか)と御手洗甲(みたらい・こう)の3人の人生が、御手洗の失踪をきっかけに交錯していくさまを中心に、人生のターニングポイントを迎えて迷い葛藤する大人たちを描いた群像劇となっています。
この日の完成披露試写会は、チケットが販売開始後15分で完売となる人気。舞台あいさつは上映後におこなわれ、御手洗甲役で出演もしている真田佑馬さんは、会場に来るときに営業のあいさつに来たり営業のメールを送ったことを思い出したと話し「そのときのことを一個一個思い出して、映画ってこうやって届けられるんだなと思いますし、素敵なスタッフとキャストに囲まれて、すごくいま幸せな気持ちです。ありがとうございます」と、初プロデュース作の初上映を迎えた心境を語りました。
主人公の向井タケルを演じた小野匠さんはこれが映画初主演。小野さんは「(『30S』が)人生に向き合う時間を与えてくれた作品で、なかなか生きていてそういう機会って与えられないじゃないですか。でも、この作品に出会ってタケルを演じることで、またひとりの人生を歩むことができて、ぼくの中でこのタイミングで味わえたことが、すごく幸せでした」と初主演作への想いを。
タケルの同級生の長嶺蓮香を演じた財田ありささんは、蓮香がアルコール依存症に陥っている役のため「感情の起伏が激しかったりとか、人から受けた言葉に対してスイッチが入るタイミングとかが難しいなって脚本を読んだときに思ったので、そこをどうやって自分に置き換えて共感できるかなとか、そういうのを考えながら落とし込んでくのに苦労しました」と話し「でも、楽しかったです」と笑顔を見せました。
『30S』では実際に役と同年代のキャストが起用されており、小野さんも財田さんも現在30歳。
自身は30代を迎えたことに「そんなに実感はなかった」ものの、周囲の環境の変化は感じるという小野さんは“30歳”という年齢について「自分が30代になって感じたことは、いままでご縁でいろいろな人に与えていただいてきた分、次はぼくが与えられる側に回りたいなと、そういうふうな人生を歩んでいきたいなと思いました」とコメント。
財田さんは、これまで誕生日はあまり意識しなかったのが、30歳の誕生日は小学生のころ以来にカウントダウンするほど意識していたそうで「『30S』という映画を撮ったから余計に30という意識したのもあると思うんですけど、初めて自分が大人の歳かと実感しました」と話しました。
トーク中の小野匠さんと財田ありささん。左は舞台あいさつの司会で映画本編にも興信所職員・取手隆役で出演しているラブ守永さん
御手洗甲の妹で失踪した兄を探す御手洗薫を演じた新田桃子さんは、劇中で薫が背負っているリュックが「たくさんの荷物が詰まっていて、結構重かったんですよ」と明かし、御手洗甲の姿を見つけて地下道で追いかけるシーンが「かなりしんどくて(笑)」と笑顔で告白。そのシーンは「普段はああいうところで追いかけっことかができないので、ちょっと楽しかったです(笑)」と振り返りました。
タケルの恋人・安西夕美(あんざい・ゆうみ)を演じた茜屋日海夏さんは、撮影に入る前に監督たちと一緒にタケルと夕美が付き合うまでをアドリブの即興芝居でやったところ「タケルくんが全然喋ってくれなくて(笑)」と裏話を披露し、小野さんは「すごいぼくも緊張していて」と苦笑い。なかなかタケルが告白する流れにならず「周りが囃し立てて、やっと(笑)」という茜屋さんに、小野さんは「監督から煽られました(笑)」と、奥手ぶりを覗かせました。
メガホンをとった佐藤克則監督は、さまざまな映像作品に携わるほか大学で映像制作を教えており、真田さんの大学時代の恩師。教え子との映画作りについて佐藤監督は「これはなかなか得がたい経験で、(真田さんは)プロデューサーもですからね。なかなか日本だと役者さんがプロデュースまでするってことは珍しいと思うんですけど、真田さんは、それも全然経験もないのにそれをやるっていうところから始めて、実際に今日この場で上映になったわけですから、すごいですよね」と、感慨深げに語りました。
真田佑馬さん曰く「ぼくが病んだりしているときとかも知っていますから(笑)」という佐藤克則監督との師弟トークに茜屋日海夏さん、新田桃子さんは笑顔
舞台あいさつは、登壇者ひとりひとりのメッセージで締めくくられました。
(佐藤克則監督)「パンフレットにも、ぼくと真田の対談とかがありまして、そこでも語っていたんですけど、この映画は何度も観られるように作っております。1回だけではなく、2度3度、4度5度とですね(笑)、そのくらい観ていただけるとですね、いろいろな楽しみ方ができると思いますので、ぜひ観ていただきたいと思います。この映画が、ほんとに真田はじめ卒業生と一緒に作った映画となっていますので、ひとりでも多くの人に観ていただければと思います。ありがとうございました」
(真田佑馬さん)「ほんとに、この作品を届けられて一番嬉しいですし、やっぱり仲間というのはすごい大切だなと個人的に思っていまして、今回は先ほど監督も言ってくれましたけど、同級生であったり、いまここにいる役者さんも含めて、みんな仲間だと思っていますので、この映画をみなさんに届けられたことが一番幸せです。映画『30S』、これからもどんどんどんどん広げていきたいなと思っていますので、みなさん、ぜひ応援よろしくお願いします。ありがとうございます」
(茜屋日海夏さん)「さっき小野さんもおっしゃっていたように、私も29になって、もうすぐ30っていう歳で、30を前にしてこの作品に出会えたことを、ほんとにありがたく思いますし、作中でもいろいろな登場人物がいて、それぞれがいろんな人生を歩んでいて、やっぱりこの歳って人生においていろんなこと悩んだり迷ったりするんですけど、私自身もこの映画を観て、ほんとに自分の人生を歩んでいいんだというか、自信を貰いましたし、いろんな方に刺さる作品だと思うので、老若男女問わず観ていただきたいと思います。ぜひ“#映画30S”で広げていただけたら嬉しいです。ありがとうございました」
(新田桃子さん)「私もあと3年で30になるんですが、この映画を撮影しているときから、日々後悔しないように生きたいなと思いながら作った作品でもあり、30歳に限らず、人生の転換期ってきっと何度も来ると思うんですけど、そのたびにこの映画を観てくださったら、すごく光栄です。ありがとうごじます」
(財田ありささん)「私は俳優って撮影終わったら大きな山を超えて一段落してしまう気持ちが強いんですけど、この映画はこのチーム、スタッフさんとかがけっこう仲良くしてくれて、(『30S』の)SNSとか見ている方いらっしゃるかもしれないんですが、いろいろ発信してくれて、自分の知らない部分だったりとか、映画の撮影が終わったあと今日を迎えるまでにいろいろなことがあって、いろいろな人が作ってきてくれたから今日が迎えられているというのを、すごく思い出させてくれた作品でもります。これから公開になりますけど、引き続き応援よろしくお願いします」
(小野匠さん)「映画『30S』、タイトルは『30S』なんですけど、みなさんおっしゃるとおり、いろいろな世代に観ていだだける映画だなとぼく自身も思っています。とにかく、ぼく自身で言えば、この映画が公開されてここまで来られて、ほんとに幸せに思っています。この映画が悩んでいる人自身に届いたら、きっと大丈夫なんだな、人生こんなに悩んでいても結局は大丈夫なんだなってぼくは観て思ったので、観ていただいているみなさんがどんなことで悩んでいても、一旦周りを見ていただいて、ご縁で繋がっている人たちだったら“助けて”とも言えるし“大丈夫”とも言ってくれるし、そういう気持ちで映画を観たあとに帰り道とかで思っていだけたら嬉しいなと思っています。これから公開が始まりますが、引き続きよろしくお願いします。それからSNSで“#映画30S”でつぶやいていただけたら、ぼくたち感想が見られますので、それをすごく楽しみにしていますので、みなさんご協力お願いします。ありがとうございました」
舞台あいさつ登壇者のほか、野元空さん、窪田翔さん、山口太郎さんらが出演し、30歳という年齢での夢と現実との向き合い方を真摯に描き出していく『30S』は、8月11日金曜日よりシネ・リーブル池袋、ほか全国順次公開されます。