怪獣造形界のレジェンド・村瀬継蔵総監督が送る特撮ファタジー『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』が7月26日に公開されるのを前に、アカデミー賞に輝いた『ゴジラ-1.0』の監督・山崎貴さんが作品に寄せたコメントが発表されました。また、DREAMS COME TRUEによる映画主題歌「Kaiju」のミュージックビデオが解禁されました。
『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』は、今年2024年に第47回日本アカデミー賞特別賞を受賞した美術造形家・村瀬継蔵さんが初の総監督をつとめて送り出す長編映画。
特殊美術造形家を祖父に持つ少女が、不思議な力によって亡き祖父が作ろうとしていた映画の世界に入り、怪獣・ヤマタノオロチが暴れる世界で祖父が残した作品の秘密に迫っていく特撮ファンタジーとなっています。
現在88歳の村瀬総監督は、1958年に映画会社・東宝に入社し『ゴジラ』シリーズを含めた数々の東宝特撮映画で怪獣造形を担当、その後も大映の『大怪獣ガメラ』(1965年/湯浅憲明監督)や『大魔神』シリーズ、テレビ作品でも東映の「仮面ライダー」や円谷プロダクションの「ウルトラマン」シリーズなどで着ぐるみ造形に携わり、日本の特撮造形の礎を築いてきました。
その村瀬総監督が1970年代に香港の映画会社に招かれた際にプロデューサーの依頼で執筆しつつも実現に至らなかったオリジナル映画のプロットを、40数年を経て自ら総監督として映画化したのが『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』。
スタッフには、村瀬総監督と同時代から活躍する故・高橋章さんや島倉二千六(しまくら・ふちむ)さん、「平成ゴジラシリーズ」などの怪獣デザインで知られる西川伸司さん、21世紀の「ゴジラ」「ウルトラマン」シリーズなどに携わる佐藤大介さんら、日本特撮界の名匠たちが世代を越えて集結。
キャストにも、子役時代から活躍する鈴木梨央さん、ユニット・Foorin(フーリン)のメンバーとして「パプリカ」をヒットさせた楢原嵩琉(ならはら・たける)さんの若手に加え、釈由美子さん、斎藤工さん、佐野史郎さんと、特撮に縁のあるキャストが出演した、まさにスタッフ・キャストとも日本特撮界オールスターの作品となっています。
この話題作の公開を前に、2023年公開の『ゴジラ-1.0』(ゴジラマイナスワン)で監督・VFXを担当し、日本映画初の米アカデミー賞視覚効果賞(第96回)に輝いた映画監督の山崎貴さんがコメントを寄せています。
山崎さんは幼少期に村瀬総監督が怪獣造形を手がけた『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年/本多猪四郎監督・円谷英二特技監督)の再上映版を観たことが映像の道に進む上で大きなきっかけとなったことを語っており、いわば村瀬総監督をはじめとするレジェンドの系譜を継ぎ、新たな歴史を築いている旗手のひとり。コメントは、日本特撮の歴史へのリスペクトと継承を感じさせるものになっています。
映画監督・山崎貴さんコメント
村瀬監督の人生や
今までの造形への思いがぎっしりと詰まっていました
その優しい眼差しにたくさんの人の協力が集まって
このような素敵な映画が出来上がったんですね
そして改めて「映画を作る」ということは
カミノフデを操ることに他ならないと感じました
さらに、日本の音楽シーンを代表するDREAMS COME TRUEが映画のために書き下ろした主題歌「Kaiju」のミュージックビデオも解禁されました。
「Kaiju」は、DREAMS COME TRUEのボーカル・吉田美和さんと村瀬総監督が同じ北海道池田町の出身という縁があることから村瀬総監督が送ったオファーに応えて書き下ろされた曲で、村瀬総監督の人生や映画の内容にオーバーラップする歌詞となっており、このほど解禁された「DREAMS COME TRUE「Kaiju」Music Video featuring 映画「カミノフデ ~怪獣たちのいる島~」」は映画本編の映像で構成され、吉田美和さんが村瀬監督の想いを受け取って作詞作曲した楽曲のメッセージをより鮮明に伝えるものになっています。
特撮への造詣の深さで知られる作家・中沢健さんが脚本を担当し、永く東宝特撮を長く支えた故・川北紘一特技監督に師事した石井良和さんが監督補として参加。各時代の日本特撮の一線で活躍してきたクリエイターたちが、着ぐるみとミニチュアによる特撮をメインに、現在主流となっているCGによる特撮とは異なった味わいの魅力を生み出した『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』は、7月26日金曜日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国順次公開されます。
『カミノフデ ~怪獣たちのいる島~』場面写真。鈴木梨央さん演じる主人公・朱莉