俳優・田村魁成さんが主演・プロデュースをつとめ野本梢監督がメガホンをとった中編『思い立っても凶日』が、大阪・東京上映での好評を受け７月26日より東京・下北沢のシモキタ - エキマエ - シネマ『K2』で上映されることが発表されました。

　『思い立っても凶日』は、「最悪や」が口癖の青年・誠が主人公。高校時代のある日、苦い経験をした誠が、高校時代から想い続ける女性の気を引こうと奮闘する中で、ある事実に気づいていくというストーリーの中編作品。
　大阪西成出身の俳優・田村魁成（たむら・かいせい）さんが主演とプロデューをつとめ、メガホンをとったのは現在のインディーズ映画シーンを牽引する監督のひとりである『愛のくだらない』（２０２０年）などの野本梢監督。
　野本監督の中編『彼女たちの話』（２０２２年）に出演した田村さんが、自身が主演する映画の企画を野本監督にオファーしたことから生まれた作品で、田村さんの実際の特技をストーリーに取り入れ、野本監督作品には珍しくコメディ要素も盛り込みつつほろ苦さも残す作品となっています。

　主人公・誠と腐れ縁で高校時代は女子フットサル部のキャプテンだった横山未生役には『オーガスト・マイ・ヘヴン』（２０２４年／工藤梨穂監督）『うってつけの日』（２０２３年／岩崎敢志監督）に主演する村上由規乃（むらかみ・ゆきの）さん、誠が恋い焦がれる相手でやはりフットサル部だった高山秋保役にはデビュー作『アイスと雨音』（２０１７年／松居大悟監督　※田中怜子名義）で注目を集め『浮かぶ』（２０２１年／吉田奈津美監督）では主演をつとめた田中なつさん、さらに映画プロデューサーとしても活躍する吉川流光（よしかわ・りゅう）さんと榎本桜さんや、藤主税（とう・ちから）さん、三浦健人さんら、実力派若手キャストが顔を揃えています。

　２０２３年の第24回TAMA NEW WAVE「ある視点」での公開を経て一般劇場公開を迎えた『思い立っても凶日』は、６月１日より公開された大阪・十三のシアターセブンで１週間連日満席や大入りとなり、６月15日より公開された東京・新宿K's cinemaでは初日２日目連続満席の上17時台という時間帯ながら平日も盛況を記録。
　K's cinemaでの上映は６月21日で終了となりましたが、好評を受けてシモキタ - エキマエ - シネマ『K2』で７月26日からの上映が決定しました。
　作品を届けるため自ら宣伝活動をおこなってきた田村さんは『K2』での上映決定にあたり、次のようにコメントを発表しています。

主演（田上誠役）・プロデューサー：田村魁成さんコメント

キャスト、スタッフ、そして何よりたくさんのお客様のおかげで、徐々にこの映画が届くべき人に届きつつあります。この映画は単なるコメディーではなく、“凶日”の捉え方や、人間模様が描かれているヒューマンドラマになっております。
49分という中編で見やすく、本当に面白い映画であることに自信があります。下北沢に通える範囲の皆様、ぜひご覧ください。お待ちしています。

　鑑賞した方々から「元気をもらえました！」との声も多数寄せられている青春コメディ『思い立っても凶日』は、７月26日金曜日より、東京の下北沢駅直結のミニシアター・シモキタ - エキマエ - シネマ『K2』で上映されます。

『思い立っても凶日』ストーリー

誠が高校生のとき、ひょんなことからキャプテンの未生(みお)に頼まれ、女子フットサル部の引退試合の記録係を手伝うことになった。そのときの未生の采配によって、試合に出られずに悔しい思いをしていた秋保に誠は励ましの言葉をかけるものの、未生に遮られ秋保とは微妙な空気のまま別れてしまう。誠にとって「凶日」であった。卒業してからも彼女を想い続けていたのだが、街で彼氏らしき男性といるのを目撃してしまい、"秋保奪還計画"と題して特技を活かした謎のトレーニングに励む誠。そんな盲目な誠が未生をはじめ周りの人物に現実を突きつけられていく中で、あの「凶日」の記憶が自分の中で書き換えられたものだったことに気づく。秋保を励ます言葉が未生を傷つけ、未生の采配が秋保を傷つけ、二人もまた、あの「凶日」を引きずりながら過ごしていた。誠・未生・秋保は互いにあの日を乗り越えるべく、模索をしていく。