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作品スチール

世界はときどき美しい

監督:御法川修
出演:松田龍平 市川実日子 片山瞳 松田美由紀 柄本明 ほか

2007年春、渋谷ユーロスペースにて公開

2006年/日本/カラー&モノクロ/35mm/スタンダード・サイズ/70分

イントロダクション

作品スチール

 ありふれた日常の中で、人が生きることを支える「何か」を考察する試み。普段、見過ごしがちな風景に生命の慈しみを覚える視点の発見と、オーガニックな感触をたたえた柔らかなスケッチ映像。我々の感受性に豊かなうるおいを与え、世界に向ける新しいまなざしを示してくれる、珠玉の映像詩(シネポエム)が誕生しました。
 『世界はときどき美しい』――フランスの詩人ジャック・プレヴェールの詩篇「われらの父よ」の一節よりとられたタイトルを持つこの映画は、いつつの短篇からなるアンソロジー。人間の内面を綴るモノローグが、やがて自然や宇宙の営みと呼応。その意識の広がりが、イノセントな映像と美しいハーモニーを醸し出し、たおやかな恍惚、慰撫へと観る者をいざないます。それは鑑賞というより、体験に近いものかもしれません。
 まるで写真を1枚1枚めくっているような、フォトジェニックな精度の高い画面の中の登場人物は、いずれも日々を葛藤しながら生きる等身大の人間たち。きっとどこかに、あなた自身の姿が見つけられるはず。
 語り部となる主人公たちには、日本映画界を代表するキャストが顔を揃え、魅力的なアンサンブルを奏でています。日本映画界をリードする松田龍平。たぐい稀なる透明感で魅了する市川実日子。才能を見出された新人モデル・片山瞳。舞台にも活躍の幅を広げる演技派・松田美由紀。いぶし銀の存在感を誇る柄本明。いずれも、これまでのキャリアが結晶したような慎み深い演技で魅力を香り立たせています。些細なしぐさや息づかいは、そのひとつひとつが観る者の記憶に焼きつくほど繊細で新鮮。そのほか、浅見れいな、瀬川亮、草野康太、木野花、遠山景織子、あがた森魚、尾美としのりといったきらびやかな才能が華を添え、世界的なオペラ歌手・鈴木慶江の神々しい歌声と結び合い、観る者を澄み切った優しさで包み込みます。監督は、これが劇場映画デビューとなる期待の新鋭・御法川修。映像作家と呼ぶべき風格をたたえた独自の語り口とピュアな感性は、日本映画の枠を超えた才能の誕生を予感させます。
 世界は苦悩に満ちていても、必ず、ときどき美しい。いつつの変奏曲からなるスピリチュアル・ジャーニーを通して、忘れていた「何か」を回復し、明日へ向かう気持ちを手に入れられるはずです。

キャスト

第一章「世界はときどき美しい」

  • 野枝:松田美由紀

第二章「バーフライ」

  • 蝿男:柄本明

  • ハナタレ小僧:安田蓮
  • バーのマスター:川名正博
  • バーテンダー:戸部俊介
  • 仕事帰りのホステス:時任歩

  • スナックのべっぴんママ:遠山景織子
  • スナックの酔客:尾美としのり

第三章「彼女の好きな孤独」

  • まゆみ:片山瞳
  • 邦郎:瀬川亮

第四章「スナフキン リバティ」

  • 柊一:松田龍平
  • 朋子:浅見れいな

  • 野辺山教授:あがた森魚
  • 幼い頃の柊一:桑代貴明

第五章「生きるためのいくつかの理由」

  • 花乃子:市川実日子

  • 静江(花乃子の母):木野花
  • 大輔(花乃子の兄):草野康太

  • カフェの店員:南加絵
  • 花乃子の友人:鈴木美妃

スタッフ

  • 製作:棚橋淳一/中島仁/長田安正
  • 企画:長澤秀俊

  • 撮影:芦澤明子
  • 録音:森英司
  • 音響:高木創
  • 編集:時森茂和
  • 衣裳:宮本まさ江
  • ヘアメイク:小沼みどり
  • 音楽監修:大木雄高
  • キャスティング:安部実奈
  • 助監督:甲斐聖太郎
  • スチール:大橋愛
  • サウンドトラック:オーマガトキ=新星堂

  • プロデューサー:西健二郎

  • 監督・脚本:御法川修

  • 主題歌:鈴木慶江「月に寄せる歌」〜歌劇「ルサルカ」より(東芝EMI)

  • 製作:「世界はときどき美しい」製作委員会(デジタル・ネットワーク・アプライアンス/GPミュージアムソフト/ユナイテッドエンタテインメント/オフィス作)
  • 製作プロダクション:オフィス作
  • 配給・宣伝:ユナイテッドエンタテインメント

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