
音楽に乗って踊り子がショーを繰り広げるストリップ小屋。ショーを見つめる観客の中に、金井淳(山本浩司)の姿があった。
金井は東大大学院卒業の30歳。ある大学に講師として赴任してきたのだが、なんとなくいじられやすい雰囲気の金井は、さっそく歓迎の飲み会で酒癖の悪い先輩講師の山口先生(堀部圭亮)に絡まれてしまう。
学歴は申し分のない金井だが“もてない”ことがコンプレックスとなっていた。恋愛に奥手で、いままで女性と付きあった経験がないのだ。気晴らしにと初めての風俗に行ったものの、慣れない体験に逆にストレスが溜まるような結果となってしまった。
そんな金井はある日、出張で参加した研究会で大学院時代の後輩・北島萌(神楽坂恵)と再会する。ほかに知り合いがいないこともあり、研究会のあとの懇親会でもずっとふたりで会話を交わすのだった。
出張から戻ったあとも、相変わらず山口先生から絡まれたりと気苦労の多い金井。ある夜、大した用もないのだが萌に電話をかけると、そのまま朝まで話は弾み、それ以来、金井と萌は頻繁に連絡を取り合うようになっていく。
実家に戻っていた金井を萌が突然訪ねたりする中で、金井は自分が萌を後輩としてだけではなく、異性として好意を抱いていることに気づきはじめていた。だが、萌は間もなくアメリカ留学に出発することになっていた。
恋に悩む金井は、意を決して萌に自分の気持ちを伝える。そして、もうひとつの決心を固めていた。それは“童貞”を卒業すること。留学が近づいてきたある日、萌は金井の部屋へとやってきた――。