なお(江口のりこ)は、都内の部屋で女友達の沙希(菜葉菜)とルームシェアして暮らしている。今日はなおの誕生日だが、彼氏もおらず、沙希とふたりで祝うだけの淋しい誕生日だ。
そこに突然、なおの弟・康太郎(中村邦晃)が、田舎の実家から家出してやってきた。なおのためにプレゼントやケーキを用意していた沙希は、康太郎の不意の訪問にちょっと不満げ。しかし、ほかに泊まるあてもない康太郎は、結局ふたりの部屋に泊まることになった。
その夜、偶然に目を覚ましたなおは、衝撃的な光景を目にしてしまう。康太郎がベランダに干してあるなおの下着の匂いを嗅いでいるのだ。そのまま下着を持ち去る康太郎の姿に驚きつつも、なお自身も興奮を感じていた……。
翌朝、康太郎はまるで何事もなかったかのように朝食を食べている。なおも沙希も仕事が休みで、康太郎を連れて遊びにでかけることになった。なおが選んだ服は薄手のスカート。康太郎の視線を気にしつつ、なおは康太郎と沙希の前を歩いていく。
なおが家出の理由を尋ねると康太郎は答える。「どうしてもやりたいことがあって」。さらになおは、康太郎の抱えているバッグの中に隠しカメラが仕込んであるのを見つけてしまう。家を出てからずっと盗撮されていたのか? 体の疼きを抑えられないなおは、こっそりと下着を脱いだ。
そして3人がやってきたのはボーリング場。康太郎の見ている前でなおがボールを投げるたびに、スカートがフワリと揺れていく……。
お姉ちゃん、弟といく
監督:吉田浩太
出演:江口のりこ 菜葉菜 中村邦晃 ほか
2010年6月19日(土)より池袋シネマ・ロサにてレイトショー
同時上映:象のなみだ
2006年/カラー/ミニDV/4:3/ステレオ/42分(お姉ちゃん、弟といく)|2005年/カラー/ミニDV/4:3/ステレオ/20分(象のなみだ)
女友達とルームシェアしている姉のもとに、家出してきた弟が突然やってきた。その夜、姉が目撃したのは自分の下着の匂いを嗅ぐ弟の姿。驚きつつもその光景に姉は興奮してしまう。そして翌日、姉は弟を連れ、下着を脱いでボーリング場へ……。
2008年ゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門審査員特別賞をはじめ、国内外の映画祭で高い評価を受けた中編作品『お姉ちゃん、弟といく』が、2006年の制作から4年を経て、ついに劇場公開される。
監督は『ユリ子のアロマ』でエロス+ユーモラス=エロモラスという世界を開拓した新鋭・吉田浩太。ちょっと変わった性的嗜好をおかしさや哀しみもこめつつ描いた『お姉ちゃん、弟といく』は、エロモラスの原点と呼ぶべき作品となっている。
主人公のなおを演じるのは『ユリ子のアロマ』でも主演をつとめている江口のりこ。エロスを感じさせつつ下品にならないその独特の存在感でなおを熱演し、この作品で2006年CO2(シネアスト・オーガニゼーション・大阪)フィルム・エキシビジョン主演女優賞を受賞した。
そして弟の康太郎には、多くの若手監督の作品に出演する中村邦晃、なおのルームメイト・沙希には出演作が続々控える菜葉菜と、実力派キャストが脇を固める。
『お姉ちゃん、弟といく』は、CO2の助成により製作された。今回の劇場公開にあたっては、助成作品公募の参考作品として出品された『象のなみだ』が同時上映される。吉田監督が実体験をもとに2005年に自主制作した短編映画で、撮影には『お姉ちゃん、弟といく』『ユリ子のアロマ』でコンビを組む南明寿が参加。以後の吉田作品の原点となる短編である。
- 森下なお:江口のりこ
- 梅野沙希:菜葉菜
- 森下康太郎:中村邦晃
- なおの母親:森本73子(声の出演)
- 監督・脚本:吉田浩太
- プロデューサー:後藤剛
- 撮影:南秋寿
- 照明:関根謙一
- 録音:島津未来介
- メイク:河野顕子
- 装飾:山下知恵
- 編集:今泉力哉
- 助監督:宮本亮/羽渕秀和/西川文恵
- 制作主任:小林憲史
- 制作進行:村山圭吾
- 音楽:スキャット後藤
- 劇中歌:RiceRiot「すいません、そこ通ります」/衣笠理洋「Sacrifice」
- 製作:シャイカー
- 助成:シネアスト・オーガニゼーション・大阪エキシビジョン実行委員会
- 配給:ゼアリズエンタープライズ
- 配給協力:マコトヤ