モデルとしての将来に不安を感じる雛子。恋人との関係に揺れるナンバーワンモデルのミホ。恋への一歩を踏み出せないレナ。人気ファッション誌のモデルたちも、普通の女の子たちと同じように仕事に恋に悩みや迷いを感じている。そんなモデルたちの日々を、実際の現役モデルたちをキャストに迎えて描き出した青春ストーリーが『FASHION STORY-Model-』だ。
「non-no」専属モデルで、ドラマやテレビ番組ＭＣなどに活躍の場を広げる本田翼が雛子役で映画初出演にして初主演。そして、ミホ役にはＣＭ出演や歌手活動、バラエティ番組出演でも知られ、やはり映画初出演の加賀美セイラ。さらにレナ役にはドラマなどで女優としてのキャリアも重ねる「ViVi」専属モデルの河北麻友子。そのほか、人気ファッション誌で活躍するモデルたちが雑誌の枠を越えた豪華共演を果たす。
メガホンをとったのは本作が初監督作となる中村さやか。佐々部清監督らのもとで助監督をつとめ、ドキュメンタリー演出も手がける期待の新人監督だ。本作では、出演者のモデルたちに取材を重ねて彼女たちの実体験を脚本に取り入れ、ときにはドキュメンタリー的な手法も用いてフィクションながらリアリティあふれる世界を作り出した。
モデルたちを取り巻く共演者には、小柳友、須賀貴匡、伊藤陽三郎、手塚理美ら、若手からベテランまで実力派が揃った。また、長渕文音、森田彩華と、中村監督が助監督時代から縁のあるキャストが出演しているのも注目だ。
ひとつの雑誌が完成するまでには、モデルだけでなく、編集者やスタッフたち多くの人の努力がある。『FASHION STORY-Model-』は、もの作りに携わる人々の群像劇にもなっている。いま、なにかに一生懸命な人たちへのさわやかなエールとなる作品だ。
雛子（本田翼）は人気ファッション雑誌「LA STRADA」の専属モデル。とはいっても、掲載ページ数もカット数も少なく、バイトをしながらのモデル生活。実家の母からは、モデルを諦め大学に進むよう勧める電話がたびたびかかってくる。雛子自身も、一向に増えないカット数や、モデル仲間が自己管理の甘さから辞めさせられる姿を目の当たりにして、不安を感じることもある。それでも雛子は、毎号「LA STRADA」の表紙を飾るナンバーワンモデルのミホ（加賀美セイラ）への憧れを胸に、日々努力を続けている。
ある日、雛子は撮影の様子を見にきた「LA STRADA」編集長の森崎まどか（手塚理美）に抜擢され、ミホとコンビの撮影に臨むことになる。緊張し自信を失いかける雛子に、ミホが言葉をかける――。
雛子だけでなく、モデルたちみんなに憧れられる存在のミホだが、恋人のベテランカメラマン・宅間陽（伊藤洋三郎）との関係がミホの心を惑わせていた。はっきり気持ちを示そうとしない宅間の態度に、ミホの心は揺れる――。
そしてやはり「LA STRADA」の専属モデルで恋に奥手のレナ（河北麻友子）は、偶然のきっかけで知り合ったメンズモデルの光一郎（小柳友）と撮影現場で再会するのだが、彼への好意を素直に伝えることができない――。
それぞれ悩みを抱えながらも、カメラの前で美しくポーズを決めるモデルたち。そして、メイクアップアーティストの安藤一真（須賀貴匡）たちスタッフや編集部員が彼女たちを支える。
今日も、東京を舞台に「ファッションストーリー」が繰り広げられる――。
