日本映画専門情報サイト:fjmovie.com

fjmovie.comトップページニュース一覧>「呪怨プロジェクト2009」発表記者会見

「呪怨プロジェクト2009」発表記者会見

記事メイン写真

会見に出席した「呪怨プロジェクト2009」スタッフ・キャスト。後列左より、ゲーム版開発スタッフの吉原正訓さん、ゲーム版エグゼクティブプロデューサーのビル・リッチさん、安里麻里監督、三宅隆太監督、清水崇監督、一瀬隆重プロデューサー。前列左より、中村ゆりさん、瀬戸康史さん、南明奈さん、鈴木裕樹さん

 日本だけでなく世界を席巻したホラー映画「呪怨シリーズ」が2本の映画とゲームソフトで復活する「呪怨プロジェクト2009」の記者発表が4月15日に都内でおこなわれました。
 「呪怨シリーズ」のスタートとなったビデオオリジナル版「呪怨」から10年という節目の年に展開される「呪怨プロジェクト2009」では、『呪怨 白い老女』『呪怨 黒い少女』(ともに6月27日公開)という2本の新作劇場映画が公開されるのに加え、家庭用ゲーム機・ニンテンドーWii用ソフトとして「恐怖体験 呪怨」が発売されます。
 今回の劇場版では、シリーズの生みの親である清水崇監督は原案・監修をつとめ、シリーズ当初から手がける一瀬隆重プロデューサーのもと、三宅隆太監督(『白い老女』)、安里麻里監督(『黒い少女』)というホラーに定評のあるふたりの監督が新たな“呪怨ワールド”を作り上げていきます。
 会見には、清水監督と一瀬プロデューサー、三宅監督、安里監督と、出演者の南明奈さん、瀬戸康史さん、鈴木裕樹さん、中村ゆりさんらが出席しました。

コメント写真

一瀬隆重プロデューサー

プロデューサーの一瀬です。10年前に清水監督と最初の「呪怨」を作ったときは、まさかこんな立派なホテルで記者会見をやるような作品になるとは思ってもいませんでした(笑)。10年「呪怨」を作り続けてきて、いい加減やめろという声もありますが(笑)、まだまだ怖い「呪怨」を作り続けていきたいと思っております。
(今回のプロジェクトのきっかけは?) 最初にAQインタラクティブさんから「ゲームにしたい」というお話をいただいて、思い出してみると「そうだ、10周年だ」と思って、「ぜひゲームをやってください」という一方で、原点に戻ってビデオ版の「呪怨」の怖さっていうのをもう1回作れないかなと思ったのと、ホラーというのは若い監督の登竜門だと思っているので、最初の「呪怨」は黒沢清監督と高橋洋さんに監修していただいて清水監督が撮ったんですが、今度は清水監督に監修に回っていただいて、これを機会に若い監督に撮ってもらえればなと思ったのがきっかけです。
 清水監督とは、ずっと『呪怨3D』という、3だから3Dはどうかというバカな話をずっとしているんですけど、それとは別に、若い監督が撮れる機会として「呪怨」が使えればなと思っているので、シリーズを続けられればなと思っています。
(監督選考はどのように?) 候補の監督はそれこそ何十人もいまして「やりたい」と言ってきてくれた人もいれば、まったくホラーを撮ったことはないけど撮ってみたら面白いんじゃないかみたいな人まで、ものすごい数の候補をリストアップして、その中から5人の監督候補を選び、その5人と脚本作りを始めて、いろいろ面白いアイディアが出たんですけど、ちょっと「呪怨」から離れすぎちゃったなとか、面白いけど怖くならないな、みたいなところがあって、最終的に三宅監督と安里監督というふたりが復活「呪怨」にふさわしいものが作れるな、ということでした。

コメント写真

原案・監修:清水崇監督

清水崇です。ぼくもまさか最初に作った「呪怨」からもう10年も経っているとは思わず、代表作が「呪怨」のままで来てしまっているんですけど(笑)、にもかかわらずこれだけ来てくださってありがとうございます。引き続き「呪怨」が続いてくれればと思っております。
(「呪怨」のそもそもの発想は?) いまでこそホラー映画ばっかり作る監督だと思われていますけど、もともとぼくは怖がりで、中学生くらいまでホラー映画なんてとても観られなくて、たぶん怖がりだったから発想が生まれたんだと思うんですけど、一瀬プロデューサーを紹介されて「怖ければなんでもいいから」ということで、自分の幼いころからの怖がりだった部分を全部引き出して煮込んだのが「呪怨」だったんですね。それがこんなにシリーズ化されるとか、世界観が広がっていくとは思っていませんでした。
(今回は原案・監修という立場で作品に携わっていますが?) チラシに「まさかの復活」とあって、ぼくの中でも「まさか」だったんです(笑)。最初に一瀬さんから話を聞いたときに、実は「またやるんですか?」って思ったんですけど、10周年だと言われて、ぼく自身も監督としてデビューしてほぼ10年になるんです。それで、ほかの監督がやるというのを聞いたんですけど、だったら監督を選考するというところや、どの監督に任せたら新しいものができるかというところから入りたいということで、監修という立場で、脚本やら、いろいろ作っていくところから少しずつ入っていきました。
(三宅監督、安里監督と作品作りをしての感想は?) ふたりのこれまでの作品も拝見していますし、友だちというか親交があったので、安心して任せることができました。もともとぼくがやっていた「呪怨」ではなくて、三宅監督ならではのもの、安里監督ならではのもの、新しいものにしてほしいという話をしたところ、それができる力もあった方たちなので、安心して任せていました。

コメント写真

『呪怨 白い老女』三宅隆太監督

『呪怨 白い老女』の脚本と監督を担当しました三宅隆太です。こちら(後ろのポスター)には「呪いつづけて、10周年。」という、ひじょうに前向きといいますか景気のいい感じが立ち込めておりますが(笑)、ぼくはこれまで観客として「呪怨」を観ている立場でした。一瀬さん、清水さんがそれこそほんとに10年という時間をかけて育んでこられた強固な世界観のある、この「呪怨シリーズ」に参加させていただきまして、その中でリメイクでも続編でもない、言ってみれば“ネオ呪怨”というものをどうやったら作ることができるだろうかというのが最大の課題でした。
(監督するにあたって心がけたことは?) “「呪怨」のような作品”ではなくて「呪怨」を作ろうということがまずありまして、これはどういうことかと言うと、世の中には真似のできるタイプの映画とできない映画があるとぼくは思っていて、清水さんの「呪怨」は間違いなく後者だと思うんですね。その上で、いままでの清水さんが作られてきた世界と怖さというものを表面的になぞった“「呪怨」のような作品”というのは、実はけっこうあるような気がして、さっき申し上げたような“ネオ呪怨”を作るときにどう考えていったらいいだろうというところで、これまでの「呪怨」の中にあった本質的な怖さと、人が人を“呪う”“怨む”ということの痛みですね。哀しみもそうですが、そういったところを大事にしながら、怖いのはもちろん言うまでもないことで、それを自分なりに咀嚼して、自分なりの「呪怨」にできればという想いで作りました。

コメント写真

『呪怨 白い老女』あかね役:南明奈さん

今回、あかね役を演じました南明奈です。「呪怨」の話がきたときは、やっぱりすごい有名な映画だし、自分も観たことある映画でしたから、嬉しいのもあったし「できるかな?」って不安もすごくあったんですけど頑張りました。初ホラーで緊張しましたが、頑張りました。
(最初に脚本を読んだときの感想は?) 初めて脚本を読ませていただいたときは、正直、怖くて泣きました。「こんなのできない!」ってマネージャーに言って、ほんとに大泣きしたんですけど、でも、やっぱり挑戦してみたいなと思って、やってみました。撮影中も、泣きそうになることはありましたけど、頑張ってこらえてやりました。

コメント写真

『呪怨 白い老女』文哉役:鈴木裕樹さん

『白い老女』で文哉役を演じました鈴木裕樹です。ほんとに「呪怨シリーズ」に参加できたことを心から光栄に思うと同時に、こういう作品なのに言い方はちょっとあれかもしれないですけど、すごく楽しめました。仕上がりはものすごく怖い仕上がりになっていると思うので、ぜひみなさん期待してください。
(最初に脚本を読んだときの感想は?)すごく面白いと思って、ぼくのやった文哉という青年はですね、事件に巻き込まれていくんですけど、普通の人間がそういった世界に巻き込まれていくっていうところがあって、だから、あんまり最初から「ホラーだ」とか、そういう先入観を持たずに演じようと思いました。

コメント写真

『呪怨 黒い少女』安里麻里監督

『呪怨 黒い少女』を監督しました安里麻里です。私は小さいころからホラー映画がものすごく大好きな子供だったんですけど、その中でもファンだった「呪怨シリーズ」を自分が撮れるということで、ものすごく興奮して現場に挑みました。仕上がりもけっこう怖いものに仕上がっていると思いますので、ぜひ多くの人にご覧いただければなと思っております。
(監督するにあたって心がけたことは?)  最初の「呪怨」から10年経ったわけなんですけど、すごい好きなホラー映画で、かつこれをやるにあたって「新しい『呪怨』を作ってほしい」というふうにお話をいただいて、どういう方向で新しくするべきかというところですごく悩んだんですが、私が着目したのは“俊雄くん”という白い子供が「呪怨」の私の大好きなキャラクターなんですけど、白い子供が怖いっていうのを、今回は黒い少女というまったく違うキャラクターとして怖さを追求してみたいというか、幽霊をどう撮るか、どう出すかというところで“黒い少女”で新しくチャレンジしてみたつもりです。けっこう怖く仕上がっていると思います。

コメント写真

『呪怨 黒い少女』徹也役:瀬戸康史さん

今回、(タイトルが似ているので)こんがらかってしまうんですけど『黒い少女』のほうで徹也を演じました瀬戸康史です。ぼくもホラー初で、「呪怨」という作品はとても大好きで、何度も観返していたくらいなんですけど、このお話をいただいて率直にすごく嬉しかったし、現場もホラーの現場だからドヨーンとした空気なのかと思っていたんですけど、和気藹々として楽しい現場でした。2作品ともどうぞよろしくお願いします。
(最初に脚本を読んだときの感想は?) 台本を読んだときは、やっぱりこの「呪怨」という作品に出れるんだなと嬉しかったし、現場に行くのを楽しみにしていました。でも台本はやっぱり怖くて、さっきも言ったんですけど現場も暗ーいイメージなのかな、誰も一言も話さないんじゃないかくらいの気持ちだったんですけど、監督さんはじめスタッフさんもとてもいい方で、とても気楽にできたというか(笑)。
(演じるときに意識したことは?) ほんとに観ている人に怖がってもらおうという意識を持って演じたというか、ぼくが演じた役はすごく能天気というか、なにも考えていないようなキャラクターだったので、“怖い”と“楽しい”というか、そのギャップを意識しましたね。

コメント写真

『呪怨 黒い少女』真理子役:中村ゆりさん

真理子を演じた中村ゆりです。今回、私は霊感のある女性の役ということで、除霊をするシーンなんかもあるんですけど、般若心経を電車に乗るときとか歩きながらもずっと聴いていたりとか、いろいろな新しい体験をさせていただきました。映画自体はすごく怖いんですけど、怖いだけじゃなくて、すごく奥の深い内容になっていると思うので、みなさん楽しみにしていてください。
(最初に脚本を読んだときの感想は?)日本のホラーって、特にいままで一瀬さんが手がけてこられたものは、ただ脅かすとか、オバケが怖いとかだけではなくて、心理的なものがちゃんと描かれていてすごく面白かったりすると思うので、今回の脚本を読んだときも、罪だとか、呪いというものも人の哀しみから生まれてくるものだと思うので、そういうところがキッチリ描かれているなと思いました。
(演じるときに意識したことは?) 特殊な役なので、この映画の中である意味、腹がどっしりと座っていないといけないなと思ったので、お母さん(の役)でもありますし、強さみたいなところをちゃんと演じられればいいなと思いました。

 会見では、リモコンを懐中電灯に見立てて廃墟など曰くありげな場所をさまよい歩くというWii用ゲーム「恐怖体感 呪怨」(夏発売)の概要も発表されました。
 「いろいろなホラー映画の中でゲームのアイディアに『呪怨』が一番向いているんじゃないか」(ビル・リッチ エグゼクティブプロデューサー)と企画がスタートしたゲーム版には、清水監督も“恐怖監修”として参加しており「名前だけの監修ではなく、製作スタッフのひとりとして参加していただいています」(AQインタラクティブ・吉原正訓さん)というほど清水監督のこだわりが反映されたゲームとして完成する予定です。

 2009年に新たな展開を見せる「呪怨シリーズ」。清水監督は「『呪怨3』をみんなが忘れたころにやりたいなと思っています。監督としては、みんなが忘れたころに戻ってやりたいなという意識はあるんですが、それはまだ先」と、今後の展開にも含みを持たせました。

 『呪怨 白い老女』には、会見に出席した南さん、鈴木さんのほか、みひろさん、宮川一郎太さんらが共演。『呪怨 黒い少女』は、瀬戸さん、中村さんのほか、加護亜依さん(主演)、勝村政信さんらが出演。6月27日(土)より、新宿バルト9、梅田ブルク7にて2作品同時上映されます。

記事メイン写真

写真撮影中、突然会場が暗転したかと思うと“白い老女”がステージに登場。南明奈さん(右から2人目)もビックリ

記事メイン写真

“白い老女”を囲む出演者。左から、中村ゆりさん、瀬戸康史さん、白い老女をはさんで南明奈さん、鈴木裕樹さん

スポンサーリンク