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完成から2年を経ての公開に「感謝しています」:『アジアの純真』初日舞台あいさつ

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舞台あいさつに登壇した井上淳一さん、笠井しげさん、韓英恵さん、片嶋一貴監督(左より)

 海外の映画祭で上映され話題となった『アジアの純真』が10月15日に新宿K's cinemaで初日を迎え、主演の韓英恵(かん・はなえ)さんと共演の笠井しげさん、脚本の井上淳一さんと片嶋一貴(かたしま・いっき)監督が舞台あいさつをおこないました。
 『アジアの純真』は、姉を殺された在日朝鮮人の少女と、少女の姉に惹かれていた日本人の少年とが“世界を変える”術を求めて旅に出るというストーリー。少年と少女がテロを起こすという内容に難色を示す劇場や映画祭が多かったため完成から2年を経ての公開となり、片嶋監督は「2年前の7月には上がっていたんですけど、なかなか上映できず大変でした。K's cinemaさんにはほんとに感謝しています。スタッフ・キャストのみなさん、関係者のみなさんにも感謝します」とあいさつしました。
 殺される少女とその妹の二役で主演をつとめた韓さんは「自分は(日韓の)ハーフで、昔から人間関係だったりうまくいかない面があって、そういう自分から逃げてきたんですけど、この作品に出会ってまっすぐ向きあえるようになりました」と、映画の撮影を経て得たものを語り「2年前の大人じゃなかった自分を見て、演技とかもそうですけど“ピュアだったなあ”と思います。私は、この映画をネットで書かれているような反日映画ではなくて、青春映画として、ロードムービーとして観ています。10代最後の想い出の映画が『アジアの純真』でよかったなと思います」と振り返りました。

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主演をつとめた韓英恵さん

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少年を演じた笠井しげさん

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メガホンをとった片嶋一貴監督

 少年を演じた笠井さんは「(公開を)待ちに待っていたので“やっと来たな”と思います。いま観なおすと、顔が若かったり、お芝居が全然違ったり、別人ですよね(笑)。そこを楽しんでもらえればと思います」と笑いを交えつつコメント。
 脚本の井上さんは、海外の映画祭での反応について「賛否両論と言われますが、海外ではダメな人は出て行っちゃうので、残った方の意見はひじょうに好意的でした。ロッテルダム(国際映画祭)でひとりの女性から“Beautiful film”と言ってもらったことは、ちょっと感動しましたね」と語りました。

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脚本を執筆した井上淳一さん

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コメント中の井上さんの言葉に思わず笑い出す笠井さんと韓さん

 『アジアの純真』は、片嶋監督が代表をつとめる映像制作会社・ドッグシュガーが自主制作のかたちで製作し、配給までをおこなっている作品。片嶋監督は「自分たちのお金で自分たちのやりたいものを作る、そして配給までやっちゃおうというプロジェクトの第1弾として作りました。師匠筋にあたる若松(孝二)さんがやってきたこととかがすごく参考になって、やってよかったなと思います。日本映画にとって一番大事なのは“多様性”なんですよね。あまりにも同じような映画ばかりができると面白くない。いろいろな映画を作れる環境、観られる環境というのが、ちゃんとできていったらいいなと思います」と、今回の作品に込めた意図を語りました。

 かつての日本映画のようなザラついたパワーを放つ激しい青春ロードムービー『アジアの純真』は、10月15日(土)より新宿K's Cinemaにてロードショー中。映画にも出演している映画監督の若松孝二さんやミュージシャンの白井良明さん(ムーンライダーズ)など、ゲストを迎えてのトークショーも連日開催されます。

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