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井口昇監督「いま描きたい」新作披露でノーメイクスと熱唱 『ゴーストスクワッド』完成披露上映会

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舞台あいさつをおこなったノーメイクスの上埜すみれさん・神門実里(みかど・みのり)さん・洪潤梨(ほん・ゆに)さん・柳杏奈さん、井口昇監督、なべやかんさん(左より)。ノーメイクスの4人は劇中の衣裳で登壇
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 井口昇監督が自らプロデュースする女優アイドルグループ・ノーメイクスを主演に「幽霊少女たちの復讐」を描いた『ゴーストスクワッド』(2018年3月3日公開)の完成披露上映会が11月19日にLOFT9 Shibuyaでおこなわれ、井口監督とノーメイクスらが舞台あいさつ&ミニライブをおこないました。

 『ゴーストスクワッド』は、理不尽に殺された少女たちの幽霊と霊感少女が「幽霊復讐部隊・ゴーストスクワッド」を結成し、平穏な社会生活を送る犯人たちに復讐していくという、アクションも盛り込まれたダークファンタジー。2016年に公開された『キネマ純情』に続く、ノーメイクスの主演映画第2弾となっています。

 上映会は満席の盛況となり、井口監督は「この映画はぼくがどうしても作りたい内容だったので、それをノーメイクスのみんなと一緒に作れてほんとに嬉しく、そしてこんなにたくさんのお客さんに来ていただいて、もう監督冥利につきます!」とあいさつ。
 『ゴーストスクワッド』はクラウドファンディングにより一般のファンの方からの支援も受け製作されたインディーズ作品で、井口監督は「いまのご時世、凶悪事件、哀しい事件、いろいろありますよね。ぼくは、亡くなってしまった女の子たちの気持ちというか、やっぱり救いがないことが多いと思ったので、せめて映画の中での救いを作りたいと思って、どうしてもこの内容をやりたいなと思って、インディーズで作らせていただきました」と『ゴーストスクワッド』製作の動機を語り、この作品は「アクション映画でもあるし、コメディでもあるし、百合映画でもあるけれども、まずは“幽霊青春もの”、“死んじゃった青春映画”」という「新しいジャンル」だと語りました。

 幽霊が主人公の映画だけにノーメイクスの4人のうち3人は映画の最初から死んでいる役で、ケイコ役の上埜すみれさんは「役作りとかをするときに、実際の経験則からいろいろ作るという方法が多いと思うんですけど、たぶんここにいる誰もがまだ死んだことがないはずなので“死んでいる人だけど動く佇まいってどんなかな?”と思ったのと、(幽霊役の)みんなが生前のシーンもちゃんと描かれているので、そこと死んでいるときの目線の使い方とか動きの手数の違いとか、そういうところで見せられたらなと思いました」、アカリ役の神門実里さんは「今回は前回(初主演作『キネマ純情』)よりも増してすごく緊張して、前日とか撮影中もずっと井口監督に“監督これは?”みたいな感じでいろいろアドバイスをいただいたんですけど、幽霊なんですけど、途中まで“幽霊だったか!”って忘れちゃうような感じで、私はあえてお芝居できてたらなと思いますので、ぜひ観ていただけたら嬉しいです」、ヨシエ役の洪潤梨さんは「撮影しているとき、すごい風が強かったときがあって、普通に髪の毛をこうやった(抑えた)ときに井口さんに“幽霊だからそういう人間っぽい動きをするのはやめてほしい”って言われて、井口さんの思う幽霊ってそういうことなんだって思って、そこで(自分の幽霊を演じる考え方が)甘いなと思って、ちゃんと考えなきゃって身を引き締めたところがあって、幽霊の役だというのを実感したいい思い出」と、それぞれ幽霊役を演じての感想を。
 また3人は出演シーンのほとんどが幽霊の白塗りメイクで、井口監督はアイドルに白塗りをさせたことについて「なにかひとつ越えたかったんです、アイドル映画の壁を」と説明。
 ノーメイクスの中でただひとり生きている人間を演じたリカ役の柳杏奈さんは「3人の死んだ想いを無駄にしてはいけないという想いを強く持って、そして(映画の)語り部だったので、引っ張っていかないとなって思ってやりきりました。3人の想いを持ってやらせていただきました」と振り返りました。

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唯例のケイコを演じたノーメイクスの上埜すみれさん

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幽霊のアカリを演じたノーメイクスの神門実里さん

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幽霊のヨシエを演じたノーメイクスの洪潤梨さん

 幽霊少女たちに復讐される殺人犯を演じたなべやかんさんは「いまの世の中ね、やられ損みたいな世界じゃないですか。人が死なないと警察も動いてくれないみたいな、それをうまく監督が描いた世界」と作品についてコメント。そんななべさんについて井口監督が「なぜキャスティングしたかというとですね、この役が少年時代と中年時代と両方やるんですよ。同じ人物でやりたかったので、未成年から40何歳まで両方できるのはなべさんしか」と話すと、なべさんも「永遠のこども店長と言われております」と答え、場内の笑いを誘いました。

 また、劇中に登場する殺人事件はすべて実在の過去の殺人事件を連想させるものになっており、井口監督は「(実在の)事件に対しての後味の悪さを“これでいいのか!”って気持ちで」社会への問題提起として描いたと語り「被害者側の映画って実はないんですよ。どうしても(実在の事件を元にした映画は)加害者側とか遺族の話になってしまって、じゃあ殺されちゃった女の子たちはどう思っていたのかということをテーマにしたいなというのがあって、亡くなったあとどう思っているのかというのを、やっぱり“いま”描きたい」と真摯なメッセージを述べました。

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霊感を持つリカを演じたノーメイクスの柳杏奈さん

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復讐される殺人犯・アツシを演じたなべやかんさん

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ノーメイクスのプロデューサーでもある井口昇監督

 ノーメイクスの4人は「シリアスな部分もありき、この衣裳から見てわかるように、ポップでアクションシーンがあったり、コメディシーンがあったり、そのギャップが楽しめる作品だと思うので、ぜひ笑ったり声を出したり楽しんで、ワイワイやってもらえればと思います」(上埜すみれさん)、「私たちもノーメイクス(※メイクをしない)ということで、お客さまも心をむき出しにして観てもらったら一番楽しめると思うので、周りのことをなにも考えず、素直に楽しんで観ていただきたいです」(神門実里さん)、「今回は前回の『キネマ純情』とは別で、男性のキャストの方もたくさん出ていただいて、バラエティに富んだ方々が出てくださっているので、それも注目して観ていただけたらなと思います」(洪潤梨さん)、「実際の事件の被害者のことも入っていたり、社会派的なこともあるんですけど、そちらも気にしつつ楽しんで観ていただけたらと思います」(柳杏奈さん)と、それぞれ作品の魅力をアピール。
 なべやかんさんは「今回の作品は文科省の人と検察庁の人に観ていただきたいと、それくらいの感想をみなさんもお持ちになると思うのでね、ぜひそういった人に(届くくらいまで)拡散するようよろしくお願いします」と、冗談交じりながら現在の世相をチクリと刺す一言を。

 そして井口監督は「この作品、いろいろテーマはあるんですけど、でもやっぱりアイドル映画としても作りたかったので、彼女たち(ノーメイクス)の演技をとにかく観てもらいたいです。彼女たちがほんとに体当たりで頑張っていますので、ノーメイクスのお芝居を観てもらいたいなと思っていますし、固いだけじゃなくて、ちゃんとお色気シーンとか笑いのシーンもありますので(笑)、力を抜いて観ていただけると思います」と語り、なべさんの「完全な(監督の)趣味なシーンありますもんね(笑)」という指摘に「趣味なシーンあります!(笑)」と宣言して舞台あいさつを締めくくりました。

 舞台あいさつに続いては、なんと映画公開を前にCDデビューも果たした井口監督がノーメイクスとともに「ノーメイクス feat. 井口昇」としてミニライブをおこない、監督にとってのCDデビュー曲となる『ゴーストスクワッド』の応援歌「大傑作」を熱唱しました。

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ミニライブで「大傑作」を歌う井口昇監督(一番右)と、ノーメイクスの上埜すみれさん・神門実里さん・柳杏奈さん(左より:12月でグループを卒業する洪潤梨さんはこの曲には不参加)

 『ゴーストスクワッド』本編上映終了後には、地下アイドル・ライターの姫乃たまさんと映画にも出演している電撃ネットワークのギュウゾウさんをゲストに迎えた井口監督とノーメイクス、なべやかんさんのトークや、ノーメイクス4人フルメンバーによるライブ、プレゼント抽選会などもおこなわれ、完成披露上映会は盛況のうちに幕を閉じました。

 ノーメイクス、なべやかんさんのほか、2016年にグループを卒業したノーメイクスの元リーダー・中村朝佳さんや、「HIGH&LOW」シリーズで知られる阿部亮平さんらが共演する『ゴーストスクワッド』は、2018年3月3日(土)より渋谷アップリンクほか全国順次ロードショーされます。

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