怪談新耳袋 怪奇
監督:篠崎誠
出演:真野恵里菜 坂田梨香子 鈴木かすみ 吉川友 北原沙弥香 秋本奈緒美 ほか
2010年9月4日(土)より、シアターN渋谷ほか全国順次ロードショー
2010年/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/115分
実話怪談集「新耳袋」の映像化作品として、2003年にテレビシリーズがスタートした「怪談新耳袋」。多くのホラークリエイターが参加し、テレビ・劇場版で展開してきた「怪談新耳袋」シリーズは、世界を席巻する“ジャパニーズ・ホラー”の発展を支えてきた作品だと言っていいだろう。その人気シリーズが、4年ぶりにスクリーンに登場する!
監督は監督デビュー作『おかえり』が国内外の映画祭で高く評価され、新作『東京島』も話題の篠崎誠。黒沢清とともに「恐怖の映画史」を著すなど、ホラー映画への造詣の深さでも知られている篠崎が、満を持して長編ホラー映画のメガホンをとった。そして脚本は三宅隆太。「怪談新耳袋」スタート時から参加し、監督・脚本家として『呪怨 白い老女』など数多くのホラー作品を手がけてきた、現代の日本ホラー映画界きっての俊英である。篠崎と三宅、ホラー映画の可能性を追求するふたりが強力なタッグを結成し「ツキモノ」「ノゾミ」という異なったアプローチの2話からなる『怪談新耳袋 怪奇』を完成させた。
この意欲作で主演をつとめるのが真野恵里菜だ。多くの女性アイドルが所属するハロー!プロジェクトの一員であり、ドラマ・舞台で着実に女優としての経験を積んできたトップアイドルが待望の映画初主演。初挑戦のホラーというジャンルで“あゆみ”と“めぐみ”というふたりのヒロインとして見事にスクリーンの中で“生きて”みせた。また、歌手活動も好調な真野自身が主題歌「−家に帰ろう−」も担当し、映画のエンディングをやさしく飾る。
最高の主演女優と現代を代表するホラークリエイターのコラボレーションによって誕生した『怪談新耳袋 怪奇』。いま、日本のホラー映画はなにを描き、どこへ向かうのか? その回答がここにある。
「ツキモノ」
就職活動中の大学生・桐島あゆみ(真野恵里菜)は、面接試験を終え、バスで大学に向かっていた。そのバスに、靴を履かずなにかを呟きながらしゃっくりを繰り返す、異様な女が乗り込んできた。大学前でバスを降りるあゆみは、具合が悪そうに見える女に「大丈夫ですか?」と声をかける。女から戻ってきたのは「背負う気あんの?」という意味不明の言葉だった。
教室で友人の晴美(鈴木かすみ)、勇子(吉川友)、啓子(北原沙弥香)と合流し、いつもと同じように授業を受けるあゆみ。しかし、いつの間にかあのバスの女が教室の外に現われ、異様な行動で学生たちをパニックに陥れる。教室から逃げ遅れ、女に襲われそうになったあゆみは、間一髪、須藤(坂田梨香子)に助けられるが……。
「ノゾミ」
夜、悪夢に苦しめられる高校生の藤沢めぐみ(真野恵里菜)。学校に通わず、リストカットを繰り返すめぐみを、母の瑤子(秋本奈緒美)は責めることなく接する。母子ふたりだけの家庭には、ぎこちない空気が漂っていた。
心理カウンセリングもめぐみを救ってはくれない。幼いころに死んだ妹・のぞみの記憶にとらわれるめぐみは、図書館で、自宅で、赤い服を着た少女の影を見かけるようになる……。
ある日、めぐみの家にやってきた瑤子の中学時代の同級生・土屋信子(伊沢磨紀)は、めぐみの姿を見てなにかに気づく。そして信子はめぐみに告げる。「いまのままだと、あなた死ぬわよ、近いうちに……」。