会見出席の映画出演俳優のみなさん(後列)、監督(前列)
6人の監督が女性を主人公に愛と友情、そしてエロスをテーマに作り上げた6本の作品からなるシリーズ『ラブコレクション』の製作発表会見が10月21日に東京都内でおこなわれました。
会見にはシリーズの企画者である廣木隆一監督はじめとする6人の監督と各作品の出演者、あわせて総勢19人の方々が出席。それぞれの作品について語りました。
『ガールフレンド』 (11月27日公開)
廣木隆一監督(写真中央) ずっとこだわっているテーマでもあるので、低予算だけどエロスというものが撮れないかなと思ってこの企画を立ち上げてみました。ぼくの『ガールフレンド』は女の子ふたりの、友情でもない、レズでもないというところです。ふたりのおかげで100点満点の映画になったと思います。
キョウコ役・山田キヌヲさん(写真左)
初主演映画、デビュー作となります。初めての映画だったので、映画の中の演技とはいかなるものかと考えさせられたりすることもあったんですけど、今まで知らなかった私を発見することができて、新しい私を監督に掘り下げていただいたなというのを感じます。私自身『ガールフレンド』という作品に出られてとても幸福だと思います。
ミホ役・河井青葉さん(写真右)
あたしも今回で映画は2本目で、ほぼ初心者だったんですけど、とても楽しくやらせていただきました。私は普段すごい考えてどんどん気持ちを作って入っていくですんです、今回はもちろん考えた部分は出すんですけど、現場に入ってからはあんまり考えるなと監督に言われて、そのバランスというのはすごく難しかったです。
『ねじりん棒』 (11月27日公開)
富岡忠文監督(写真中央) 小話をやってみたかったんですよね。エロスっていうのを考えていくと淫靡なものとか隠された部分とかを想像しがちなんですけど、普通の日常の中にあって、笑っちゃう部分に持っていけないかなと。ターゲットを聞くと若い女性だったりするんですけど、ぼくの場合は若いのは夏生ゆうなだけ、あとは年配の役者さんたちで(笑)、ちょっと毛色が変わっているとは思うんですけど、小気味の良い面白い小話ができれば良いなと思ってやってみました。
美咲役・夏生ゆうなさん(写真左)
今回は大先輩方に囲まれて、監督にもとてもしごかれまして、初めてああ芝居しているんだなという感覚を覚えました。監督から毎日へたくそへたくそって言われ続け、だんだんテンションが下がってきたんですが(笑)、これでだいぶ打たれ強くなりました。
藤沢役・ベンガルさん(写真右)
台本を読んだときにずーっと笑いっぱなしで、全部の役をやりたいと思ったのはこの仕事が初めてです。すでに石橋蓮司さんに役が決まっていましたんで、俺にやらせろというわけにはいかなかったんですけど(笑)、とても面白い話なんで、みなさまに観ていただいて評価をいただきたいと思います。
『ココロとカラダ』 (12月11日公開)
安藤尋監督(写真中央) 大人でもなく子供でもないというふたりの女の子が、お互い傷つけあいながらも同じ部屋、空間の中で生きていくというところをダラダラとやりたかったというところです。
知美役・阿久根裕子さん(写真左)
今回この作品にかかわらせていただいて、朝も昼も夜もずっと考え込んだ役柄だったと思います。すごく悩むことが多くて、でも現場が好きなんで、難しいなりに自分なりにすごく楽しめた役作りというか現場でした。すごくきれいな映像になっていると思うので、みなさん楽しんで観てください
恵子役・未向さん(写真右)
日常の中で、みんな自分の中でプラスとマイナスのバランスをとって、実は綱渡りの状態で生きていたりするわけで、そんな中でちょっとバランスが崩れるととんでもない方向に転がっていってしまう、取り戻せなくなってしまう、そういう人間もたくさんいて、今それが日常的にニュースとかになってきてるんだと思います。普通というものの危うさと、その中で精一杯生きている私たち、ふたりの女の子の姿を観ていただきたいと思います。
『OLDK』 (12月11日公開)
原正弘監督(写真右から2人目) 私のはあんまりラブもエロスもなくて申し訳ないんですけど、ちょっとアクション映画テイストの変な話になっていると思います。ラブ、エロスは清水美那さんがたっぷりカラダで表現してくれていると思うのでその辺はお任せしたいと思います。それと、よく間違えられるんですが「ゼロエルディーケー」ではなくて「オーエルディーケー」ですのでよろしくお願いします(笑)。
ケイコ役・清水美那さん(写真左から2人目)
ちょっと下着になったくらいだったんですけど、エロスはあんまりなかったですね(笑)。あんまりエロスじゃないですけど、不思議な話になっていると思いますので、ぜひ楽しんでください。
西条役・三浦誠己さん(写真一番左)
後半畳み掛ける感じのストーリーでめっちゃオモロいと思います。最後すごいことになりますんで、みなさん楽しみに。エンターテイメントの凝縮されたというか、ポップな感じの楽しい作品なんで、ぜひみなさんよろしくお願いします。
タクヤ役・一條俊さん(写真一番右)
セックスシーンが初めてで、ある意味トイレしているところを撮られるような恥ずかしさがあって、どう恥ずかしさをなくしていこうっていうのがぼくの中でのテーマでしたんで、これを糧にひとついい経験ができるんじゃないかと思って演じました。三浦さんもおっしゃっていたんですが最後は面白い感じで終わってますんで、ぜひぜひご覧ください。
『揮発性の女』 (12月25日公開)
熊切和嘉監督(写真中央) テーマがエロスということで、自分にとってエロスとは何かといろいろと考えた末が未亡人という、かなり発想は古いんですが、その中で何か新しいことができないかなと考えました。ぼくは今まで男を主役に映画を作っていたんで、ここらでひとつ女の人の孤独みたいなものを描けたらいいなと、そういう感じでやりました。
悦子役・石井苗子さん(写真左)
しばらく女優の仕事休んでいたんですよ。普段の自分が監督によって解体されまして、自分で観ていてびっくりしました。同じ人間でもこんな風に料理できるのかなという作品です。
理一役・澤田俊輔さん(写真右)
エロスとラブということですが、とてつもなくそれをミックスした、どうしようもないロマンティックな映画ができたと、関係した私が自負しています。どうぞそれを体験しにみなさんに来ていただきたく思います。
『月とチェリー』 (12月25日公開)
タナダユキ監督(写真中央) 恋愛と性欲の間で思い悩むすべてのセンシティブな人たちへ捧げたく、可愛い青春映画を作りました。モテモテ人生を送ってきた人は共感できないかもしれないんですけど、恋愛したときにショボい自分と向き合ったことがある人は必ず共感を抱いていただけるんじゃないかと思っております。自分ではあんまりエロくないんじゃないかと思っているんですが、危うくR-18になりかけた、そんな映画です。
葉月役・江口のりこさん(写真右)
面白いと思います。可愛らしい映画ですのでぜひご覧になってください。(タナダ監督と)一緒にできて嬉しかったです。
健一役・永岡祐さん(写真左)
5日間で撮ったんですけど、ほとんど起きてたんで、生まれてこの方から一番髪の毛が多く伸びてた5日間でした。ものすごく青臭い作品に仕上がっていると思うんで、ぜひご覧ください。
同じテーマで作品を作ることについて、ほかの監督を意識したかという質問には「(ライバル心は)もうバリバリですね(笑)」(廣木監督)、「ぼくとバッティングする監督はいないと思っていましたから(笑)、何も気にしていませんでした」(富岡監督)、「負けないぞという意識はありましたけど、撮影入ってからは自分の作品を自分なりに撮っていけばいいかなと思いました」(安藤監督)、「ぼくは長尺は初めてだったんでとにかく先行逃げ切りで撮り上げてしまって、あとはドキドキしながら待っているという感じでした」(原監督)、「そんなに周りを意識している余裕はなかったんですけど、なんとなく同じ世代のタナダさんには負けたくないなという気はしてました(笑)」(熊切監督)、「私も年の近い熊切監督には負けたくないと思って頑張ってみました(笑)」(タナダ監督)と、作品同様それぞれの監督の個性が感じられる答えとなりました。
それぞれの監督、出演者が個性豊かにテーマを描くシリーズとなった『ラブコレクション』は11月27日より渋谷シネ・ラ・セットにて6作品が順次公開されます。
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